【Q&A】「年末年始を静かに過ごす」ため、コロナ分科会が呼び掛けた“工夫の仕方”とは?
新型コロナウイルスの流行が日本で本格化してから初めての年末年始を迎えます。これまでであれば、年末年始は忘年会や帰省などイベント・予定が立て込む時期です。しかし、政府のコロナ対策分科会は「命、暮らし、仕事を守る」観点から「一人一人が静かに過ごす」ことが大事だと提言しました。具体的にはどのような行動を取れば良いのでしょうか。分科会が提示した、場面ごとの「工夫の仕方」を見てみましょう。
Q:そもそもなぜ「静かに過ごす」必要があるの?
分科会は「年末年始に人々の交流を通じて感染が全国的に拡大すると、さらに医療がひっ迫し、結果的に経済も大きな打撃を被る」ことを理由に挙げています。 尾身茂会長は会見で、「ずっと我慢してきたので、お酒を酌み交わし、親族や親しい友人たちと旧交を温めたいと考えていると思います」と国民の声を代弁しました。 ただ、「初めての冬だからこそ大事。静かにやっていただきたい」と理解を求めました。
Q:では、どうやって「静かに」すればいいの?
分科会は提言の中で「全国の皆さんへ」と題し、(1)忘年会・新年会(2)成人式(3)初詣・カウントダウンイベントなど(4)帰省――それぞれについて静かに過ごすための工夫の仕方を提案しています。ポイントは以下の通りです。 【忘年会・新年会】 ・なるべく普段から一緒にいる人と少人数で開催 ・ガイドラインを遵守している飲食店を選ぶ ・体調が悪い人は参加しない ・席の配置は斜め向かいにする(正面や真横はなるべく避ける) ・会話するときは必ずマスクを着用 ・短時間で、深酒やはしご酒などは控え、適度な酒量に ・お猪口やコップは使い回さない 【成人式】 >主催者向け ・参加人数を制限 ・会場での飲食を控えることの徹底 ・会場でのマスク着用や手指消毒など感染防止策を徹底 >参加者向け ・体調が悪い人は参加しない ・会場やその周囲では密集しない ・式典の前後の飲酒を控える ・飲酒する場合には、「忘年会・新年会」と同様の策を 【初詣・カウントダウンイベントなど】 ・初詣は、混雑する時期を避ける ・境内での3密回避、参拝後の混雑をできる限り避ける ・カウントダウンイベントなどでも基本的な感染防止策を徹底 ・適切な雑踏警備を検討 ・適切な行動管理が難しいと判断した場合には開催自粛などの対応を 【年末年始の帰省】 ・3密回避など基本的な感染防止策を徹底 ・大人数の会食を控えるなど高齢者への感染につながらないよう注意を ・その対応が難しいと判断した場合は帰省を慎重に検討する ・発熱など症状がある人は帰省を控える ・帰省する場合は、年末年始の休暇を分散して取得するなどし、混雑する時期を避ける
Q:地域によって対策は異なるの?
分科会は、感染状況が4段階のうち2番目に深刻な「ステージ3」相当とされている地域の人々に対しては上記に加えて「一歩踏み込んだ工夫をお願いしたい」と訴えました。 具体的には、 ・大人数の「忘年会・新年会」は見送り、オンライン上での忘年会・新年会を検討すること ・「成人式」をはじめとする年末年始の各種イベント主催者は、オンラインを活用した開催、開催時期・時間の分散化などを慎重に検討すること ・「帰省」は、時期の分散だけでなく、延期も含めて慎重に検討すること を呼び掛けています。