【Q&A】コロナ分科会が提言。“ステージ3地域”の「3つのシナリオ」とは?
有識者による政府の新型コロナウイルス対策分科会(会長・尾身茂氏)は、感染状況が4段階中2番目に深刻な「ステージ3」に相当する地域で、今後の感染動向次第で考え得る「3つのシナリオ」を策定し、シナリオごとの対応策を政府に提言しました。「4つのステージ」があるうえに、「3つのシナリオ」があるため、やや分かりにくい部分があります。尾身会長の発言や分科会の公表資料を基に、かみ砕いて解説します。
Q:そもそも「ステージ」って何?
分科会が、各地域で感染がどの程度蔓延(まんえん)しているのか、を示す尺度として提唱した考え方です。最も軽度な「ステージ1」から、最も深刻な「ステージ4」まで4段階あります。それぞれのステージの感染状況は以下のように表現されています。 ■ステージ1=感染者の散発的発生 ■ステージ2=感染者の漸増(ぜんぞう) ■ステージ3=感染者の急増 ■ステージ4=爆発的な感染拡大
Q:今回、「3つのシナリオ」が示された「ステージ3」ってどんな状態?
尾身会長はこれまでの会見で、ステージ4は「緊急事態宣言を出す時期と理論的に言える」と説明しており、「ステージ3」は「ステージ4」にしないための策を講じる時期として位置付けてきました。 各地域がどのステージにあるかはそれぞれの都道府県知事が政府と調整しながら決めます。(1)病床のひっ迫具合(2)療養者数(3)PCR陽性率(4)新規報告数(5)直近1週間と前の1週間の比較(6)感染経路不明割合――の6つの指標が基になりますが、指標は「あくまで目安」で、ステージは「総合的判断」によって決まります。指標の数字が「ステージ3」や「ステージ4」の基準に至ったとしても、直ちにそのステージになる訳ではありません。 (※詳細は関連リンク「【Q&A】新型コロナ報道で耳にする『ステージ』って何?」を参照してください)
Q:「ステージ3相当の地域」って具体的にどこ?
尾身会長は、分科会としては「北海道の札幌市」「東京都の23区と多摩地域」「大阪市を中心とした大阪府」が該当するとの認識を示しました。
Q:「3つのシナリオ」って何?
「ステージ3」に相当する地域では11月中旬から、酒類を提供する飲食店に対する営業時間短縮要請などの感染防止措置を講じています。期間は、対策の効果が見極められるという3週間で、12月16、17日ごろに期限を迎えるとされています。 分科会は3週間が経った時点で、感染が減少に転じた地域を「シナリオ1」、感染が高止まりしている地域を「シナリオ2」、感染拡大が継続している地域を「シナリオ3」と分類したのです。