横浜DeNA“三浦番長野球”とは何か…OP戦白星発進に見えたラミ流継承と独自色
三浦大輔新監督が率いる横浜DeNAがオープン戦の初戦で白星発進した。5日、横浜スタジアムで行われたオリックス戦で、先発ローテー候補の京山将弥が予定の4回を3安打無失点。マスクをかぶった嶺井博希がオリックスのエース、山本由伸から先制の3ランを放つなどして5-1で快勝した。垣間見えたのは“番長野球”の輪郭だ。ラミレス前監督が推し進めたデータ野球は継承、一方で独自色も打ち出しチーム力のアップにつなげようと試みている。ソト、オースティンの主軸2人は来日できておらずエースの今永昇太も開幕には間に合わない。開幕前の陣容は万全とは言えないが、三浦新監督の手腕に注目が集まる。
大胆な吉田正尚シフトが成功
3545人と公式発表されたハマスタのファンがざわついた。 4回。オリックスの4番に座る吉田正尚が打席に入ると、三塁の宮崎がスルスルとポジションを移動させた。ショートの大和、セカンドの田中俊の定位置まで追い抜き、ちょうど一、二塁間に入ったのである。一塁ベースと二塁ベースの間に牧、宮崎、田中と3人が並び、大和もややセカンドベースに寄り、サードのポジションを空けてしまう、大胆な吉田シフトを敷いたのだ。データ重視のラミレス前監督も、昨年、阪神のボーアらに対して同様のシフトディフェンスを行っていたが、三塁手をこの位置に移動させる戦術はなかった。 京山は「変に意識をせずに(シフトに)飛んでくれたらラッキーくらいのイメージでいた」というが、右方向に3人の野手を並べられて吉田の方が意識したのだろう。強引に引っ張ろうとして打ち損じた。ボテボテの一塁ゴロ。まだ不慣れなルーキーの牧とカバーに入った京山の連携ミスでセーフにしてしまったが、6回にも二死から吉田に対して、同じシフトを敷いて3番手の飯塚が一塁ゴロに打ち取っている。「逆方向に打たれてワンヒットはOK」のシフトディフェンスでオリックスが誇る主砲を完全に封じ込めた。 「オープン戦なので色々試した。シーズン中でも状況に応じて使っていきます」 試合後、三浦監督は”ラミ流継承”を示唆した。 横浜DeNAでは2017年にチーム戦略部の中にリサーチ&デベロップメント(R&D)グループを立ち上げ積極的にトラックマンデータを利用したIT戦略に取り組んできた。投手、球種、状況に応じての打者ごとの打球方向もすべて数値化。三浦監督は、ラミ流継承というより、球団が推し進めているデータ活用に興味を示したのだろう。