ギャンブル依存症対策「7年間でしっかり進めたい」大阪・吉村知事会見6月29日(全文3)
「核なき世界」への動きも昭和の議論と考えているのか
毎日新聞:毎日新聞社の石川です。日本維新の会が提唱する核シェアリングに関連しての質問です。6月21日から23日にオーストリアのウィーンで初めて核兵器禁止条約の締約国会議が開かれて、「核なき世界」の実現に向けたウィーン宣言と、その具体的な行動計画というのを締結して閉幕をしました。維新はこれまでロシアのウクライナ侵攻を踏まえて、核保有国が現に核兵器をちらつかせているということで、日本も核共有の議論を始めるべきだというような主張をされていると。これはもうこれまでの質疑の中でも承知しているので、そこについては今日、おっしゃっていただく必要はありません。 まず端的に先日の締約国会議など、こうした「核なき世界」の実現に向けた現在進行形で動いている最近の新しい動き。これについても、維新の言葉を借りるようですけども、非核三原則と同様に、昭和の価値観の中で進められる昭和の議論だというふうにお考えでしょうか。 吉村:「核なき世界」は、これはやはり目指していく方向性だと思います。核兵器っていう大量破壊兵器、やはり、これはやっぱりなくしていく、目指していく、僕はここが世界としてやはり目指していくべきものだというふうに思っています。もちろん核においても戦略核、それからもう戦術核というのもあったり、小型の核兵器もこれは当然ありますけれども、やはり核兵器そのものについてはこの世界においてなくしていく、そこを世界として目指していく。これはやはり目指していくべき方向性だというふうには思います。
核廃絶に向けた展望を聞きたい
毎日新聞:核廃絶を目指すべきだというのは、これは繰り返しお聞きしています。私も含めて大阪記者会の中には初任地だったり前任地で広島・四国で仕事をした記者というのもたくさんいて、記者生活の中で80歳、90歳の被爆者の方々の話を聞きながら、被爆の実相だとか惨禍を伝えるために、時にせき込みながら、点滴を打ちながらも、息を切らしながらも、文字どおり本当に命を削りながら行政への要望であったり訴訟であったりとか、あるいは国際会議でのメッセージ発信を行うという、そして亡くなっていくような姿っていうのを見ながらエネルギーを肌で感じてきました。被爆者の方々のそういう言動を見ると、壮絶な被爆体験に裏打ちされたあとの核廃絶の思いというのがあって、それが常に具体的な行動を伴いながら、それが具現化されているという姿を見てきました。 核シェアリングについてこれまで力説されているのは拝見はしてるんですけれども、今日はぜひもう1つのビジョンということで、もし被爆者と同様に核廃絶を目指すべきだというようなお考えがあるのであれば、具体的に核廃絶に向けた展望、道筋について、吉村代表のお考えをお聞かせください。 吉村:これは非常に難しい問題で。要は世界警察みたいなものがあればいいんですけども、そういうのはありません。今回、国連も機能しないということが明らかになりました。これは目を背けてはならない現実だというふうに思っています。そして、核大国であるロシアが核の威嚇の下にウクライナを侵略するというのも現実として、事実として起こっているということもまた受け止めなければならないと思っています。 ウクライナはロシアに逆に侵略するということは当然できてないという状態で、攻撃を受け続けているというのが今の現実であり、そしてまた、これはウクライナ自身が軍事同盟がないということも当然、さまざまな理由もございますが、その中でアメリカ等、NATOもそうですけれども、核保有しているロシアに対しては直接反撃をするということはもうしないと。その中で今、ウクライナの方々が命を落としている。これは女性や子供も含めてお亡くなりになっている、虐殺されてるという現実もまたあるというのもやっぱり認識しなければならない現実だと思っています。 【書き起こし】大阪・吉村知事会見6月29日 全文4に続く