疲れにくいカラダは作れる。スタミナを上げる、超実践的な14のアドバイス(専門家が監修)
自然に高まる眠気に従い、ランチ後の20分以内の昼寝で脳を休める
ランチ後の午後2時前後になると眠くなる。これは睡眠が足りないせいでも、あるいは最近話題の機能性低血糖(食後に急激に上がった血糖値が一転して下がりすぎること)によるものでもない。 「その証拠にランチを抜いても、午後2時前後には眠たくなります。これは睡眠と覚醒のリズムを作っている体内時計の働きによるもの。その時刻になると自然に日中の眠気のピークがやってくるのです」 なぜこの午後の眠気があるのか。理由はよくわかっていない。おそらく日が高く、ストレスを招く紫外線が強い時間帯の活動を避け、木陰などでひと休みしてほしいという自律神経からのアドバイスなのだろう。 ならばその助言に従い、ランチ後は休憩室などで戦略的にお昼寝(パワーナップ)しよう。20分程度の昼寝で眠気が取れて脳が休まり、スタミナが蘇って仕事のパフォーマンスも上がる。深く寝入ると起床後しばらく寝ぼけるし、夜眠れなくなるので長くても30分以内が鉄則。
眠りを妨げる二酸化炭素を追い出すため、寝室のドアを閉め切らない
寝ている間も呼吸はノンストップで続いている。それをコントロールしているのも自律神経。 呼吸が乱れると眠りが浅くなり、自律神経の疲労につながりスタミナを削ってしまう。 睡眠中の呼吸に大きな影響を与えている意外な要因がある。それが、寝室の二酸化炭素濃度。 私たちは酸素を吸い、二酸化炭素を放出している。閉め切った部屋で寝ていると、放出された二酸化炭素がだんだん溜まってくる。 「室内の二酸化炭素濃度は通常500ppm程度ですが、これが1000ppmを超えると眠りが浅くなる。ところが、大人2人と子供1人が閉め切った部屋で9時間寝ると、濃度が4000ppmを超えることがわかっています」 3人で最大4000ppmなら、一人で寝ていても密室だと濃度が1000ppmを超えることもありそう。空調中で窓が開けられないなら、せめて廊下や隣室側のドアを開け放って換気を促したいものだ。
食事時間をパターン化して腸内細菌を時差ボケさせない
疲れを上手にマネジメントしてスタミナを高めるには、体内時計が刻む自然のリズムに従うのが鉄則。 体内時計は、脳以外にひとつひとつの細胞にも備わる。それは時間遺伝子と呼ばれるもの。脳の体内時計は朝の光でリセットされるが、細胞の時間遺伝子は朝食の刺激でリセットされる。両者がうまくシンクロして初めて疲れも溜まりにくくなる。 だが密かに体内時計を狂わす存在がある。大腸内に潜む腸内細菌だ。 全身の細胞は37兆個ほどだが、腸内細菌の総数は40兆個。影響は軽視できない。腸内細菌も独自の体内時計を持ち、それが脳や細胞の体内時計とズレて“時差ボケ”すると、体調が崩れてスタミナは落ちる。 腸内細菌の時計をリセットするのは、豆類・野菜などに含まれており、彼らの好物である食物繊維の摂取。腸内細菌の時差ボケを避けるため、朝食を含め三食を摂る時刻をパターン化してズラさないようにしたい。