疲れにくいカラダは作れる。スタミナを上げる、超実践的な14のアドバイス(専門家が監修)
タンパク質を摂って冷え性をリセット。筋力で疲れに勝つ
男女を問わず、冷え性だと何となく覇気がなく、スタミナもないように感じられる。この印象は果たしてどこまで正しいのか。 「あながち間違っていないかもしれません。病的なものを除くと冷え性の大半は筋肉不足によるもの。筋肉は安静時の基礎代謝の20%近くを担い、運動しないときでも熱を作り出しています。ですから、運動不足や加齢などで筋肉が減るとカラダが冷えやすくなります。そして筋肉が少ないと疲れやすくなるのです」 自律神経の最優先課題は、血流を促して脳へ酸素と栄養素を安定的に送り届けること。冷え性に陥るほど筋肉が少なくなると、下半身の血液を還流させるミルキングアクションの働きが落ちるため、自律神経の仕事が増えて疲れは取れにくい。 筋トレで筋肉の衰えを防ぎつつ、筋肉の材料となる良質のタンパク質を食事から摂り入れることが肝要。肉類のほか、乳製品、魚類、卵、大豆食品などからバランス良く摂ろう。
寝坊は2時間以内に留め、週末の「一人時差ボケ」を避ける
平日忙しくて睡眠不足だと、週末にまとめてたくさん眠りたくなる。そこで注意したいのは、起床時刻が普段より遅れることによる「一人時差ボケ(社会的時差ボケ)」。 「一般的に、起床時刻がいつもよりも2時間以上遅くなると、体内時計が後ろにズレる一人時差ボケが起こりやすくなります」 2時間を超える分は、1時間の超過を正常に戻すのに2日かかる。 仮に土日で起床時刻が3時間ずつ遅くなると計4日間、つまり木曜まで時差ボケのような状況が続く。 これでは疲れは取れないし、仕事の効率も上がらない。おかげで残業を強いられると睡眠を削るほかなく、次の週末も一人時差ボケ確定。負の無限ループにハマる。 平日の睡眠不足=睡眠負債を返済するなら、朝寝坊ではなく、金土の夜ふかしを控えて長い睡眠時間を確保しよう。
太り過ぎで疲れないようにBMI22~24に保つ
重たい荷物を持っていたら、ちょっと歩くだけでも疲れる。 同じように、太って余分な体脂肪という荷物を抱えるようになると、疲れやすくなる。エンジンは軽自動車なのに、4トントラック並みの荷物を積んで上り坂を走れと言われても、どだい無茶な相談だ。 疲れにくく、スタミナを保つためにも、体格=身長に合わせて体重は適正に保つべき。 一般的に、身長と体重から求めるBMI(体重をメートル換算した身長の2乗で割ったもの)が22のときの体重=理想体重を目指すべきとされる。身長170cmだとしたら、1.7×1.7×22≒63kgが理想体重。理想体重のときが死亡率はもっとも低いのだ。 「加齢とともに理想のBMIは変わり、60歳以降だとBMI24前後がベストだとされています」 身長(m)の2乗×22~24でBMI22~24の体重を逆算し、その間に収まるように体重コントロールしよう。 取材・文/井上健二(初出『Tarzan』No.884・2024年7月18日発売)
目標とするBMIの範囲(18歳以上)
日本肥満学会によるとBMI18.5未満は痩せ(低体重)であり、BMI25以上が肥満(過体重)。年齢を問わずBMI22が死亡率はもっとも低いが、高齢になるほどBMI25未満の範囲内で快適な体重を探るべきだ。