疲れにくいカラダは作れる。スタミナを上げる、超実践的な14のアドバイス(専門家が監修)
寝室を室温24度、湿度50%にコントロール
脳は体重の約2%の重さしかないのに、一日に消費するエネルギーのおよそ20%を使っている。 それだけに熱を持ちやすいので、ヒートアップしないように脳を冷やすことが大切。ことに睡眠中は「頭寒足熱」といういにしえの教え通り、頭は冷やしてカラダを適度に温めると疲労回復が進みやすい。 そのために重要なのは室温を24度程度、布団内の温度を33度前後にキープすること。 鼻は脳の冷却(空冷)器官でもある。鼻から24度くらいの空気を吸い込むと、鼻腔の奥の毛細血管で冷やされた血液が脳へと流れ込み、脳をクールダウンしてくれる。 「室温25度から1度上がるごとに加熱で脳のパフォーマンスが2%ずつ下がるという研究があります」 脳力が下がると自律神経の働きだって悪くなり、疲れも取れない。 加えて湿度管理も大切。50%前後に抑えると体感温度は下がり、室温24度でも寝苦しさを感じずに安眠できるようになる。
早く眠りたいなら睡眠儀式を1時間前倒しする
睡眠時間を確保したくて早めにベッドに入っても、狙い通り眠れるわけではない。むしろ眠れず悶々とし、結果的にいつもの時刻になるまで眠れない失敗をすることも多い。 人間は機械ではないから、ベッドに入ったら電源オフで即座に眠れるわけではない。入眠にはある程度の“助走”が欠かせないのだ。 それが俗に「睡眠儀式」と呼ばれる自分なりのルーティン。浴槽入浴をしてからストレッチをしたり、お気に入りのアロマを焚いて落ち着ける音楽を聴いたりするアレだ。 「早く眠りたいと思ったら、睡眠儀式ごと前倒しする必要がある。普段より1時間早く寝入りたいと思ったら、睡眠儀式から1時間早めるべき。可能なら夕飯の時刻から1時間前倒しするのがベストです」 ちなみにお酒の力で早く眠ろうとするのは愚行。たとえ眠れたとしても睡眠の質が下がり、深い眠りに至らないため疲れが取れにくい。
サウナや激しい運動などで気分転換をしない
仕事で疲れたから、ジムに立ち寄って筋トレやランニングに励んで発散する。あるいは休日にサウナで大汗をかいて“整い”、リフレッシュする。そういう習慣を持つ人は少なくないはず。 でも、それはひょっとしたら逆効果かつ危険な行いかもしれない。 「気分転換といわれるものには、疲労を高め、スタミナを奪うリスクが隠れていることも多いのです」 大事なのは、疲労と“疲労感”をきちんと区別すること。疲労感とは疲労そのものではなく「疲れたな」という自覚である。 トレーニングやサウナで発散できるのは、疲労自体ではなく疲労感。気分転換で疲労感が軽くなったとしても、トレーニングによる運動負荷やサウナのヒートショック(急激な温度変化による血圧変動)で、疲労そのものはむしろ高まる。 「“疲労感なき疲労”が何より危ない。疲労感を解消しても疲労自体は残る。それを放置すると、疲れの蓄積で過労死まで招きかねません」