発達検査でHSC(人一倍敏感な子)と診断された娘…学校のサポートが不登校の原因になる理由
2024年、全国の国公私立小中学校で「不登校」と判断された児童生徒は過去最多の34万6482人(前年度比15・9%増)に。文部科学省の調査で、小学校では47人に1人(2.14%)、中学校では15人に1人(6.71%)が不登校であると発表された。 【写真】3歳児健診で臨床心理士に突き放されたように感じたマキさん。娘のその後は 不登校の生徒数が増え続けているなか、学校では“加配制度”というものがずいぶん前から施されている。学校生活に適応することが難しい生徒をサポートするため、授業や行事に追加の教員を配置する制度のことだ。特別支援学級ではなく通常学級で受けられるサポートとして、発達障害の子を持つ親は望む人が多い。しかし、子どもの特性によってはそのサポートが逆効果になることもある。 さまざまな環境で悩み苦しむ子どもと親を、NPO法人『福祉広場』代表の池添素さんは支えている。不登校や発達障害の子どもと親にかかわり続けて40年。親たちに「素さんがいたから私たち親子は生きてこられた」と感謝される。 池添素さんに子どもの不登校の現状についてジャーナリストの島沢優子さんが取材し、具体的なエピソードと共にお伝えしていく連載「子どもの不登校と向き合うあなたへ~待つ時間は親子がわかり合う刻」。第6回では、発達検査でHSC( Highly Sensitive Child=人一倍敏感な子)という結果が出た娘の不登校と向き合う親についてお伝えする。不登校児の親たちを勇気づけ、闇から救い出した言葉とは。 池添 素(いけぞえ・もと) NPO法人「福祉広場」理事長。京都市職員として保育所や児童福祉センター療育課などで勤務した後、1994年に「らく相談室」を開設。2012年にNPO法人福祉広場へ移行し、相談事業を継続している。子育て相談、発達相談、不登校相談、ひきこもりや親子関係の相談など内容は多岐にわたり、年齢も多様な相談を引き受けている。著書に『ちょっと気になる子どもと子育て―子どものサインに気づいて』『いつからでもやりなおせる子育て―子どもといっしょに育ちを振り返る』『笑顔で向きあって-今日から始める安心子育て-』『子育てはいつもスタート―もっと親になるために』『いつからでもやりなおせる子育て第2章』(いずれも、かもがわ出版)『育ちの根っこ―子育て・療育・つながる支援』(全障研出版)『子どもを笑顔にする療育―発達・遊び・生活』(全障研出版)『連れ合いと相方―介護される側と介護する側』(共著=かもがわ出版)立命館大学産業社会学部 非常勤講師、京都市保育園連盟巡回保育相談員。