発達検査でHSC(人一倍敏感な子)と診断された娘…学校のサポートが不登校の原因になる理由
学校の手厚いサポートが子どものストレスになることも
リコちゃんが不登校になったあと、池添さんが担任と連携をとってくれたが「外部から来てもらうのはちょっと……」と当初は難色を示された。池添さんが「他の学校でも連携を取ってきました。リコちゃんにとって学校が過ごしやすい場所となるように先生方と一緒に考えたい」と話してくれた。 連携を取るなかで、池添さんが「リコちゃん、苦しいんちゃうかな」と子どものつらさに気づいた。教室で担任が全員を見切れないため、背後から補助教員が子どもの学習をサポートしていた。例えば「今、ここやってるよ」とか「次は教科書のここだよ」と言ってくれる。教員はそれが役目なのでやさしく言葉をかけるのだが、そうやって世話を焼かれることがストレスになる子どももいる。 池添さんは担任らと面談し「リコちゃんのことはほっといてあげてください」と伝えてくれた。同時に発達検査のやり直しを勧めてくれ、HSC( Highly Sensitive Child=人一倍敏感な子)という結果が出た。リコちゃんは非常に敏感なため、サポートされているというよりも監視される感覚を覚えたようだった。そこで学校側に「教室での学習のサポートはやめてほしい」と願い出た。 これについて、池添さんは「子どもが不調をきたしたとき考えられる原因のひとつ」と言う。特性があったり課題を抱えた子どものために担任以外の教員を授業補佐として教室に入れる“加配”は、ずいぶん前から施されている。だが、その補助教員の存在が子どもにとって「重くなる」ことを、これまで何度もみてきた。そのためケース会議に担任とともに補助教員にはいってもらうなど工夫してきた。一つひとつのケースから学んできたからこそ、リコちゃんのつらさに気づけたのだった。 学校からすれば、手厚くやっているつもりが結果的にマイナスになっていると言われるのは、恐らく不本意だろう。その部分を、池添さんたちは専門家として親に代わって学校に伝える役目も担う。とはいえ、厳しい担任にやさしい補助教員といったパターンなど、補助教員が非常にいいかたちで子どもをサポートしている場合もある。