「船遊び」のプロが語る・もっと 海を“ 楽しむ”方法。必要 不可欠な「船」への尊敬と、海外のオーナーが持つ「ノブレス・オブリージュ」の精神とは! (インタビュー第2回)
海外のボートオーナーの考え方
―― 吉原さんは、国内だけでなく、海外でもカジキ釣り大会に出ることがあるのですか? 吉原 10何年か前に、オーナーと一緒にメキシコの大会に行きました。海外の釣りっていうのはほとんどが賞金トーナメントで、そのイベントも、“何億円”っていう賞金が出る。 そのとき、大会の1カ月半くらい前にメキシコにハリケーンが直撃して、町が壊滅的な被害を受けたんです。それでも、「取りあえず大会はやるみたいだ」っていうので行ってきました。 ―― 海外で、カジキ釣りはギャンブルの対象なのですか? 吉原 カジノと同じく「カジキ釣り大会」は紳士淑女の社交場です。 もちろん賭けですから、自分の掛け金によってもらえる賞金が違う。「1位」イコール「一番賞金がもらえる」ではありません。 1位の人は、当時のレートで2,500万円くらいの賞金を獲得したけど、被災した町のために「全額寄付する」って言って、全て寄付していました。 2位の人は、1億8,000万円くらいの賞金だったんですけど「僕は半額寄付する」って、表彰式で言うわけですよ。そういう世界なんです。 ―― まさに優雅な遊びです。 吉原 世界中から金持ちが来て、船をチャーターしてカジキ釣りの賞金トーナメントをやる。世界中から「お金を落としてもらう」っていう発想なんです。 メキシコは治安が悪いところも多いので、昼間はガードマン、夕方はガードマンと警察、夜になると軍隊がその街を警備していました。 ―― そこまでしても、世界中から来てもらう意味があるのですね。 吉原 アメリカでは、船を持っている人はリスペクトされます。 その人が事業に成功してお金儲けをしてくれたから、我々も仕事がある。いっぱい税金を払ってくれたから、ここに大きな公園ができた、学校ができたって喜ばれる。 寄付をすることで節税にもなるし、リスペクトもされる。 日本って、寄付って少し黒いお金っぽく見えるけど、アメリカでは違う。そういう文化も含めて教えていきたいです。
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