アメリカの文豪アーネスト・ヘミングウェイが造船に携わった「美しき フィッシング ボート」。この船が 海の男たちを魅了し続けてきた理由とは?
文豪・アーネスト・ヘミングウェイが建造に携わった船が、日本で走っている
アメリカの文豪「アーネスト・ヘミングウェイ」が建造に携わった船が、日本にあると聞いたのは、「ボート・オブ・ザ・イヤー(BOTY)」を選ぶ試乗会でのことだった。 7月下旬に行われたノルディックボートの展示試乗会で「QUARKEN27」のキャプテンを務めていたのが、この船の持ち主である吉原 浩孝氏だ。 吉原氏は、横浜ベイサイドマリーナを拠点とし、クルーザーの販売やメンテナンス業務を行う企業・ハウンツの代表である。
船の中で聞いた吉原氏の話は「本当の海遊び」を知っている人にしか語れない、とても興味深いものであった。そのなかで、自身が所有する「アーネスト・ヘミングウェイが建造に携わった船・RYBOVICH 40' SPORT FISH “TWENTY”(以下、TWENTY)」の動画を見せてくれたのだ。 映像のなかで走る白く優美な船体は、今から69年前の1955年に建造されたものだと思えないほど、美しいものだった。この船に非常に興味を持った取材班が、後日、吉原氏のもとを訪ねて話を聞かせていただいた。
最初は、買うのを悩むほどボロボロだった
―― 先日「ヘミングウェイが建造に関係した船」の動画を見せていただいたとき、とても美しい船で目を惹かれました。どういった経緯で、このTWENTYを入手されたのですか? 吉原 いつのころからか、「アメリカのカスタムボートが格好いいな」「ああいうのに乗れたらいいな」っていう思いがありました。 「夢」っていうのは寝ているときに見るもので、朝起きたら覚めちゃうから「夢」。 そうじゃなくて「目標」を立てて、それを具現化するために考えることが大切だと思っています。それで、この商売をやっていくなかで、ずっと「目標」を立てていました。 どうせ好きで船をやっているなら、「自分の船」を持とうっていうのがそれです。 ―― それが、あのTWENTYだったのですね? 吉原 「カスタムボートが格好いいな」って思いましたけど、みんな大型化しているし買えない。たまたまアメリカのボートショーで「RYBOVICH 40' SPORTFISH “TWENTY”」の現物を見かけたんです。 見せてもらったらボロボロだったので、そのときは買わなかったのですが、そのあとに「やっぱりほしいな」って思って。 ―― この船の建造はいつですか? 吉原 1955年だから69年前ですね。 ―― 69年も前のボロボロの船を、どうして買おうと思ったのですか? 船のプロで、実用的な船も知っている吉原さんなら、もっと最新鋭の船という選択肢もあったのでは? 吉原 趣だったり雰囲気だったり、この船がとても格好良かったんです。 クルマで、最終的にヴィンテージカーに乗るようなものです。 船にもそういう世界観があってもいいんじゃないかなって。 でも、オーナーがいたら、やれ予算だ、やれ何だと制約ができてやることが限られる。 だったらそれを、自分の船でやりたいと思って。
【関連記事】
- 海の男たちを魅了し続けてきた「美しき名船」「RYBOVICH 40' SPORT FISH “TWENTY”」ワールドジェットスポーツマガジン10月号
- こういった事故の場合、どのような“罪”に問われるのか?「当て逃げ…」衝突した船が、被害者を救助せず 立ち去る!【熊本・天草】
- ヤフコメで書かれている『 "水上バイク"なんて ツマラナイ・すぐに"飽きる" 』は ホント なのか !?
- 事故原因は「強風なのに 出航した」こと!『 もっと“最悪”なのが、波の中での「2人乗り」』 【琵琶湖 「水上バイク」 遭難事故 】 チャンピオンが語る、 素人の無謀さと、波の恐しさ
- なぜ、「ライフジャケット着用」なのに“溺死” なのか?【 静岡 50代夫婦 SUP事故 】2人とも 通常の ベスト型を着用していた、性能面に問題はなかったのか?【接岨湖(せっそこ)】