洗脳薬物実験から核の紛失まで、米国政府が隠し通せなかったおぞましすぎる極秘事件5選
ロズウェル事件:「空飛ぶ円盤」の正体は
1947年の夏、全米がニューメキシコ州のロズウェルに注目した。地元の牧場主が、アルミホイルやゴムでできた部品などを含む正体不明の残骸を自分の敷地で見つけたからだ。 近くにあったロズウェル陸軍飛行場から、調査担当者が派遣された。そして7月8日、「空飛ぶ円盤」を確保したという声明が発表されたが、すぐに撤回され、実は気象観測気球だったと訂正された。 この手のひら返しと謎めいた残骸から、地球外からやってきた飛行物体だったのではないかという噂が広まることになった。 1994年、米空軍は、それまでの記録を訂正するような報告を作成した。残骸の正体は、ソ連の核実験の証拠を集める極秘の「モーグル計画」で開発されたレーダー反射器だったという。
MKウルトラ:CIAは薬物洗脳計画文書を破棄した
冷戦時代、米国はソ連の先を行くためなら、手段を選ばないようになっていった。1953年から1973年にかけて、CIA(米中央情報局)が秘密裏に武器として利用できるマインドコントロール薬を開発しようとした「MKウルトラ」計画もそのひとつだ。 LSDなどのドラッグの効果を確認し、究極的には、秘密の暗殺といった任務を命じられるようにするために、民間人や政府職員が(同意なく)薬を投与された。 この計画には、重大なリスクと深刻な倫理的懸念があった。ある実験で、被験者が死亡するほど大量の薬が投与されたこともあった。 MKウルトラが明らかになり始めたのは、1974年にニューヨーク・タイムズ紙が、CIAの非倫理的で違法な行為をあばいてからだった。それを受けて、上院が調査を行い、結果が公表された。ただし、MKウルトラの全容が暴かれることはないだろう。その前年、CIAの長官だったリチャード・ヘルムズは計画の全記録を破棄するよう命じていた。
コインテルプロ:FBIの水面下の監視と妨害活動
冷戦の最中、初代FBI(米連邦捜査局)長官のJ・エドガー・フーバーは、米国での共産党の影響力を低下させるべく、「防諜計画」という意味の英語を略した「コインテルプロ」という計画を開始した。 コインテルプロでは、評判をおとしめる、対立を生じさせて弱体化させるなど、さまざまな戦術を用いた標的の監視や妨害が行われた。 この計画は徐々に幅を広げ、社会的、政治的に秩序を乱すとみなされた組織や個人が対象とされるようになった。たとえば、白人至上主義団体のクー・クラックス・クラン、黒人解放組織のブラック・パンサー、そしてマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師をはじめとする公民権運動の指導者などだ。 FBIは盗聴でキング牧師を監視し、特に不倫行為に注目した。そして1964年には、キング牧師を「不潔で異常な野獣」と呼ぶ匿名の手紙を送りつけて脅迫した。 しかし1971年、活動家団体「FBIを調査するための市民委員会」のメンバーが地元のFBIの事務所に侵入し、この計画について記した機密文書を持ち出して、報道機関に公開するという事件が起きた。これにより、コインテルプロの活動がはじめて明るみに出た。