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日本発「縦型ショート版Netflix」へ
■日本発「縦型ショート版Netflix」へ 田中 聡|GOKKO 10代や20代のZ世代に対して、どのように効果的なマーケティングを行うべきか、頭を抱える企業は多い。彼ら彼女らが映像コンテンツを視聴する方法は、テレビではなくスマートフォンである。エンタメ消費においては、「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する傾向にあり、コンテンツを倍速で視聴したり、オチから先に見るといった行動を取る。 GOKKOは、スマホでの視聴に最適化させたTikTokの縦型ショートドラマの配信・制作によって、企業のZ世代へのアプローチを支援している。顧客には、トヨタ自動車や日本航空、みずほ銀行、日本テレビ、講談社の週刊少年マガジンなどが名を連ねる。会社設立は2022年2月だが、23年度の売り上げは2億円に達した。 ショートドラマは、1話60秒~90秒ほどで、数話で完結させる。タイパを意識し「すぐ泣ける、すごく泣ける」がモットーだ。1動画あたりの平均再生回数は267万回で、2本に1本は100万回再生。家族や恋人、友人との関係性を描いたものをはじめ、幅広いジャンルで視聴者の心をとらえ、1話で1000万回以上再生されるドラマもある。2022年には、TikTokで活躍したクリエイターを表彰するTikTok Awards Japanを受賞した。 同社が「バズる」動画を生み出すことができる要因は内製化にある。脚本づくり、撮影、監督、動画編集、投稿、分析をすべてGOKKOで手がけている。社内に知見をためることで、バズに再現性をもたせているということだ。 次なるマネタイズポイント開拓に向けた動きとして、PPV(ペイパービュー)コンテンツにも取り組み始めている。これは動画単位で有料課金する視聴方式で、初のペイパービューコンテンツである「シンデレラ・コンプレックス」は大ヒットを収めた。「スマホに特化したショートドラマの市場規模は世界で8000億円ともいわれている。『縦型ショート版Netflix』となり、世界を本気で獲りにいく」 たなか・さとる◎GOKKO CEO飲食店4店舗のバイアウト経験をしている連続起業家。セプテーニ、ビズリーチ、ファベルカンパニーで事業責任者、採用責任者などを歴任。法政大学卒、サッカーで全国大会4回出場。