死者少ない要因は 専門家会議が会見(全文3)非常に見えにくいウイルス
クラスターが大きいと判断した理由は
そういうことは、いろんな要因が考えられるんですが、日本ではまだ結核が各地で起きていて、結核って結局、感染源を見つける調査を日常的に保健所が行っていると。そういうことがもしかすると要因として考えられるのかもしれませんけれども。西浦先生が最初のころに、80%近くの人は誰にも感染させていないというようなデータが出たことも、クラスターを早期に保健所が見つけていたということが非常に大きな要因なのかなというふうにわれわれは考えています。 北海道新聞:となると、今回クラスター対策が非常に大きかったと判断した理由としては、同じようにやってる台湾でも感染が抑えられたということを考えると、どの対策がどのぐらいの寄与したかっていうのを出すのはなかなか難しいとは思うんですけど、その大きさをクラスターが大きいというふうに判断した理由としては、台湾とかの事例もあるからということなんでしょうか。 押谷:台湾は、あとは感染した人が入国、入ってくるのをより効果的に抑えていたという効果もあるので、それがどのくらいそこに寄与しているのかっていうのはちょっとよく分からないところはあります。 北海道新聞:ありがとうございました。
具体的な弊害はあったのか
NHK:押谷先生に伺います。NHKの水野です。地方からある一次情報がなかなか共有されなかったという課題を今回、示されました。現場で、中央でクラスター対策をされていたお立場として、いったいどういう弊害が具体的にあったのか。それと、そうした状況を改善するに当たって何をボトルネックと見なして改善していくべきだと強くお感じになっているのかということについて伺えますでしょうか。 押谷:どう改善するかということはおそらく感染研の鈴木基先生に説明していただいたほうがいいかと思いますけれども、われわれは与えられた状況下でベストを尽くすしかないので、そういういろんな限られた条件下でやっていかなきゃいけないことはいろいろありました。だけれどもその中で何ができるかっていうことは、西浦先生たちのグループと、あとは厚労省と感染研といろいろ協議しながらやってきたことです。 そのことは、なかなか統一したフォーマットで地方自治体が、これはいろんなおそらく歴史的な経緯があるんだと思いますけれども、報告がなされていなかったというようなことはやっぱり大きな障壁にはなりましたけれども、でも一方で、各自治体とか保健所が詳細なデータを集積できていたと。そのことが先ほど言ったような早期のクラスターの検知とか、地域でどんなことが起きているかっていうことが分かった。 さらに、尾身先生がさっきおっしゃられたように、日本は比較的早期の段階から地域内の伝播をキャッチしてるんですね。そういうことも、医療レベルが高い、医療へのアクセスがいいということと同時に、やっぱり保健所とか地方衛生研究所、自治体とかがかなり頑張ってデータを集めてもらったと。そういうことが非常に大きく寄与しているんだと思うので、そういうデータを、いろいろなことがありましたけれども、われわれは与えられた条件の中で解析して、それを対策に生かしていったということになります。