死者少ない要因は 専門家会議が会見(全文3)非常に見えにくいウイルス
抗体検査の広がりへの懸念は
NHK:ありがとうございます。もう1点だけ。提言の中でも触れられているんですけれども、抗体検査に関して結構、クリニックであるとか、あるいは企業とか団体の単位で抗体検査をかなりやるという動きが日本全国的に広がっています。提言の中にはそれについてある種、警鐘を鳴らす部分も、ニュアンスも読み取ったんですけれども、このことに関して先生方が懸念されている点も含めてあらためて伺ってもよろしいでしょうか。 脇田:ありがとうございます。抗体検査については、今、広く使われているのは、検査試薬として、研究用の試薬として市販をされているものが使われているということになります。ですから厚労省で承認されたものがまだないという状況で、その精度が非常にまだ確立をされていないということになります。ですから特に特異度とか感度とか、そういったものをきちんと発揮している試薬なのか、抗体検査なのかということをまず確認をする必要があるというふうに考えています。ですからそういったものがきちんと保証された検査をまず使うという大前提があるということを述べさせてもらっています。 テレビ朝日:すみません、Skypeからも押谷先生に4名ほどご質問が来ていますので、会場内、先に受け付けたいと思います。これは今、手をあげていらっしゃる方で押谷先生への質問は締め切らせていただきます。
リンクを追えない人が半数を占める状況はなぜ起きたか
西日本新聞:西日本新聞の一瀬といいます。北九州についてなんですが、現在、クラスター班が派遣されているという観点から押谷先生かと思い、質問させていただくんですが、今、リンクが追えない方が半数を占めるような状況は、これがなぜ起きたのか、その原因というのはどのように現時点では考えていらっしゃるのか。もう1点は、緊急事態宣言後の第2波と捉えていらっしゃるのかについて、まず教えてください。 押谷:先ほども言ったように、この感染症は非常に見えにくい。感染伝播が地域の中で検出できないような形の感染伝播が続いてしまうことがありうる感染症です。今、北九州で見えていることは、おそらく見えなかった感染伝播が続いていた可能性と、ほかから何かの形で新たにウイルスが入ってきた可能性もありますけれども、おそらく続いていたものが突然、顕在化してきたんだと思います。 多くのリンクがない人たちは、たまたま入院するときに調べてみたら陽性だったとかって、そういうことがあるというふうに聞いているので、そうするとなんらかの形で地域の中で伝播があって、それが見えにくいようなクラスターっていうのは存在している、これまでもずっとあったので、そういう形で起きてきて、これを、北九州でも院内感染とかが起きてしまっていますけれども、こういうものをいかに早期に今後、検知していけるのか。地域の中で隠れてしまっている、見えなくなっているクラスターとか感染連鎖をいかに早期に検知してこういうことを防いでいくのかということが今後の課題なんだと思いますけれども、今回起きていることはそういう形で起きているものだというふうにわれわれは考えています。 【書き起こし】死者少ない要因は 専門家会議が会見 全文4に続く