天皇陛下62歳誕生日会見(全文) 愛子さま20歳 「大人の仲間入りをすることになったことを感慨深く思う」
眞子さんに 今後幸せな人生を歩んでほしい
幹事社:めいの小室眞子さんが昨年10月、結婚により皇室を離れました、一時金が支給されず、儀式が行われないという異例の経過や、皇室への影響について陛下の受け止めをお聞かせください。眞子さんの体調に影響を与えたとされる週刊誌報道やインターネット上の書き込み、また、皇室の情報発信のあり方についてはどのようにお考えでしょうか。 天皇陛下:眞子内親王は、小さい時からめいとして成長を見守っておりましたし、成年に達してからは、昨年秋、結婚により皇室を離れるまで、さまざまな公的な活動に真摯に取り組んでいたことを深く多といたします。 結婚についてさまざまな意見があるなど、結婚にいたるまでの状況を踏まえ、納采の儀は秋篠宮家の判断で、また、朝見の儀などについては私の判断で執り行わないこととなりました。今後、幸せな人生を歩んでいってほしいと思いますが、同時にこの間、多くの方に心配をおかけすることになったことを心苦しく思っております。 昨年も述べた通り、皇室のあり方や活動の基本は、国民の幸せを常に願って、国民と苦楽をともにすることだと思います。そして、時代の移り変わりや社会の変化に応じて、状況に対応した勤めを果たしていくことが大切であると思います。皇室を構成する一人ひとりが、このような役割と真摯に向き合い、国民の幸せを願いながら一つひとつの勤めを果たし、国民と心の交流を重ねていく中で、国民と皇室との信頼関係が築かれていくものと考えております。 同時に、皇室に関する情報をきちんと伝えていくことも大事なことと考えています。週刊誌報道やインターネット上の書き込みについては、人々が自分の意見や考えを自由に表現できる権利は、憲法が保障する基本的人権として誰もが尊重すべきものですし、人々が自由で多様な意見を述べる社会を作っていくことは大切なことと思います。 その中にあって一般論になりますが、他者に対して意見を表明する際には、時にその人の心や立場を傷つけることもある、ということを常に心に留めておく必要があると思います。他者の置かれた状況にも想像力を働かせ、異なる立場にあったり、異なる考えを持つ人々にも配慮し、尊重し合える寛容な社会が築かれていくことを願っております。 <了>