なぜカーリング43歳の“最強”リザーブ石崎が涙するメンバーに「ちゃんと銀メダルを喜ぼう」と声をかけたのか
北京冬季五輪のカーリング女子決勝が20日、国家水泳センターで行われ、日本代表ロコ・ソラーレが3-10でイギリスに完敗。無念の涙を流したものの、前回平昌五輪の銅メダルを上回る、日本カーリング史上で最高位となる銀メダルを獲得した。 日本が平昌五輪の3位決定戦で勝利し、今大会の1次リーグでは敗れているイギリスが次々と繰り出してくる精度の高いショットの前に、日本は有利な後攻で最後まで複数得点を奪えない。対照的に第5エンドでスチールを許し、2-4で迎えた第7エンドではミスを突かれて一挙4点を失うビッグエンドとされて勝負を決められた。 さまざまなドラマが刻まれた北京冬季五輪はこの日で閉幕。最終日まで日本中を熱狂させたロコ・ソラーレの快進撃を含めて、金3、銀6、銅9の計18個のメダルを獲得。平昌五輪の13個(金4、銀5、銅4)を上回る冬季五輪史上で最多をマークした。
「こんなに悔しい表彰台があるんだ」
4年前の平昌大会に続いて立った五輪の表彰台。ステージが「銅」から「銀」へ上がったなかで、ロコ・ソラーレが見た景色はまったく違っていた。 「こんなに悔しい表彰式ってあるんだな、というのを初めて感じました。勝って終わった4年前は嬉しい気持ちもあったんですけど、こうして4年前とはメダルの色もひとつ変わったなかで、正直、まだ悔しさの方があって……」 スキップ藤澤五月(30)が「すみません。何だかまとまらなくて」と断りを入れながら率直な思いを明かせば、サード吉田知那美(30)も試合後に流した涙の意味を説明した。 「もっとやりたかった、もっとできた、何でこんなときにこんなにダメなんだろう、と。ゲームに対しても、自分に対してもすごく悔しい気持ちがあります」 3-8と5点を追っていた第9エンド。先攻の日本が必死にスチールを狙いにいくも、イギリスは冷静沈着に、そして確実に日本の赤いストーンを弾き出していく。 そして、イギリスの黄色いストーンが、No.1からNo.3までを占めて迎えた藤澤の最終投。トリプルテークアウトを狙ったものの、相手のNo.1が残ってしまう。イギリスのスキップ、イブ・ミュアヘッド(31)がすかさずドローショットでNo.2を置いた。 2点を追加され、7点差とされた直後に日本がイギリスに握手を求めた。負けを認めるコンシードが宣言された瞬間に、11日間におよんだ北京冬季五輪の戦いが、世界選手権を含めてまだ見ぬ金メダルに遠く届かないまま終わりを告げた。
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