なぜバッハ会長はワリエワ叱責のエテリコーチを批判したのか…真相を深掘りした海外メディアはIOCの対応を問題視
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が18日、北京のプレスセンタで総括会見を開き、フィギュアの女子シングルで4位に終わったカミラ・ワリエワ(15、ROC)を叱責したコーチのエテリ・トゥトベリーゼ氏らの批判を展開した。だが、海外メディアは、その理由を深掘りし、ドーピング問題やロシアの指導体制などを放任してきたIOCの姿勢を問題視した。今回の北京五輪では、様々な問題が露呈したが、突き詰めれば、中国と共にIOCの管理責任が問われてもおかしくない。
「非常に冷ややかな態度」
バッハ会長の会見は記者からの質問に答える形ではあったが、異例な展開を見せた。 ドーピング違反問題で揺れたワリエワが17日のフリーで転倒を繰り返し、まさかの4位に沈んだことについて「どれだけ彼女にプレシャーがかかっていたか。まだ15歳の女の子なのだ」と同情を寄せ、続いてエテリコーチ批判を展開したのだ。 リンクから出た直後の失意のワリエワをエテリコーチは慰めるのではなく「なぜ3回転アクセルの(失敗の)後にあきらめたの?なぜ戦わなかったの?説明しなさい」と激しく叱責。その映像が音声と共に世界に配信されていた。 「私も彼女の対応を見た。ワリエワを慰めようとする行動ではなく、非常に冷ややかな雰囲気に感じた。自分たちの選手にこうも冷たい態度を取れるものなのか」 銀メダルを獲得したアレクサンドラ・トゥルソワ(17)が競技後にコーチへの不満を態度で示したことにも触れ、ロシアの指導体制の問題点を指摘した。 そして継続調査が進められているドーピング違反問題については、「ワリエワはまだ未成年だ。ドーピング違反が起きた場合、選手だけで行われることは稀で、ほとんどの場合、アントラージュ(周囲の関係者)が関係している。15歳(ワリエワ)に禁止薬物の陽性反応が出たが、これを本人に投与した人に罪がある。現在、調査しているが、計画した人の説明責任が問われ、最も強い形の措置を取る」とまで語った。 だが、このバッハ会見を海外メディアは素直に受け取らず、今回の問題につながる温床を放置していたIOCの対応について批判した。