チェルシー復活の立役者 プレミアリーグ初挑戦のイタリア人指揮官は何をしたのか
年末を迎え、プレミアリーグの2024-25シーズンも折り返し地点に到達しようとしている。首位に立つリバプールは、アルネ・スロット新体制下で独走すら予想させる勢いだ。 【画像】全国高校サッカー選手権大会の注目選手たち だが、2位でクリスマスを過ごしたチェルシーで新たに指揮を執るエンツォ・マレスカも、まぎれもない今季前半戦の「勝ち組」だと言える。開幕前は、クリスマスまでもたない"早期解任候補"と目されていながら、監督として初挑戦のプレミアで評価を高めているのだから。 チェルシーを「優勝候補」とする評価は時期尚早だろう。その理由を示す最新例として、12月26日にホームでフルアムに敗れた第18節(1-2)がある。今季のプレミア平均年齢最年少チームは、一般的に「出来がいまひとつでも勝ち点3を奪える」とされる優勝候補像とは対照的に、前半に先制し、追加点のチャンスも十分に手にしていながら、終盤に試合をひっくり返された。 しかしながら、その若い集団を率いる新監督が見直されている事実は、逆に、もはやチェルシーに関して"聞かれない"声が物語る。西ロンドンダービーでの敗戦を告げる笛が鳴った直後、ホーム観衆によるブーイングがスタンフォード・ブリッジに響くことがなかったことが、最たる例だ。 チェルシーは、サポーターが格下とみなすフルアムに敗れた。逆転を許して、リーグ対決では実に45年ぶりとなるホームでの敗北を味わった。これが開幕当初であれば、スタンドからチーム批判の意思表示があったことだろう。4カ月ほど前には、リーグ戦よりも重要度が低いUEFAカンファレンスリーグ・プレーオフ第1レグ(2-0で勝利)で、スイスのセルベットを相手に前半を0-0で終えた時点でブーイングが聞かれた。 セルベット戦では、GKへのバックパスに対する不満の声も耳にした。ファンにとってのマレスカは、昨季のチャンピオンシップ(2部でレスターを率いて優勝)が唯一、とも言える実績の乏しい監督。加えて、ポゼッションへのこだわりが"遅攻"となって表れることから、レスターのプレミア復帰を実現したにもかかわらず、"前任地のファンが引き抜きを大して残念がらなかった監督"、という見方をされていた。