ジェームズ・ボンドも認めた品質 「SUNSPEL(サンスペル)」が紡ぐ高級Tシャツの系譜
僕たちが普段着ている「Tシャツ」は、一体どうやって生まれたのだろうか。 ルーツは19世紀にヨーロッパで生まれた肌着といわれている。世界に広まったきっかけは第1次大戦中、アメリカ軍の兵士がフランス海軍の肌着を本国に持ち帰ったことから。第2次世界大戦中、アメリカ軍はコットン製の肌着を採用し、戦後も復員した兵士たちがそれを着続けたことで民間へ普及していった。 そして、ファッションアイテムとして認知を広げたのは、映画の影響が大きい。1951年の『欲望という名の電車』ではマーロン・ブランドが、1955年の『理由なき反抗』では、ジェームス・ディーンが作品中でTシャツを着用した。それまで下着だったTシャツは、一躍、スタイリングの主役となるトップスとなった。その後、スポーツや音楽、企業の宣伝など、さまざまなカルチャーと結びつき、発展していった。 そんななか、「SUNSPEL(サンスペル)」のTシャツは、独自の高級路線を進んできた。厳選した素材使いと卓越した技術を駆使して、Tシャツをラグジュアリーウエアへと昇華させたのだ。 今回はクリエイティブ・ディレクターのガイドのもと、現代へと受け継がれるSUNSPELのTシャツの系譜を辿ろう。
世界中から選りすぐった素材を使う高級Tシャツの代名詞的ブランド
ーまずはブランドの成り立ちを教えてください。 1860年に英国のノッティンガムで創業しました。創業者のトーマス・ヒルが目指したのは、自社工場で上質なウールやシルク、そして世界でもっとも希少なシーアイランドコットンを使って最高級のアンダーウエアを作ることでした。
ー高級Tシャツの代名詞といわれますが、それはなぜですか? SUNSPELがシーアイランドコットンを使ったTシャツを製造したのは、20世紀初頭です。当時はまだ肌着として認知されていたこの服に、これほど高級な素材を使うのは画期的なことでした。つまり、世界初の高級Tシャツを作ったのは、SUNSPELであるといえるのです。