ー「クラシックTシャツ」はTシャツの一番人気モデルとのことですが、素材以外にも特別な点はありますか？ メイド・イン・UKである点もこのモデルの魅力のひとつです。SUNSPELは1937年に、ノッティンガムからロングイートンに工場を移転して以来、ずっとここを生産拠点にしています。 職人の中には20年を超えるキャリアを持つベテランが多く、中には2世代、3世代にわたって働き続けてくれている人もいます。「クラシックTシャツ」は、今でも一枚一枚この工場で作られている特別なモデルです。 英国のラグジュアリーブランドの中でも、本国の自社工場でTシャツを手作りしているブランドはほとんどないと思います。

画像提供：SUNSPEL

ー上品な見た目からは想像もつかないほど、作りはしっかりしていますね。 負荷のかかりやすいネックラインには、長年のアンダーウエア製造で培われたバウンドネックを採用しています。2本の糸を用いる双糸縫製で、縫い目もしっかりしているため、伸びにくく、さらに内側がなめらかで、肌当たりが優しい点も特長です。 無地のクルーネックというベーシックなTシャツですが、毎シーズン25色も展開しているため、個性を演出することができます。

縫製にもこだわりが光る

ーセレブの愛用者も多いとか。 ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツ氏はこのTシャツのファンで、長年、彼のために特注モデルを製作していました。2021年に亡くなった彼の最後のオーダーは、9色、計18枚の「クラシックTシャツ」でした。 また、『オッペンハイマー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィー氏が、レッドカーペットで着用しているのもこのモデルです。

ジェームズ・ボンドのためにデザインされたヒット作

ー映画との関係といえば、あの『007』に登場したTシャツも有名ですね。 2006年公開の『007／カジノ・ロワイヤル』で使用された「リヴィエラTシャツ」です。 誕生のきっかけは、衣装デザイナーのリンディ・ヘミング氏に、ダニエル・クレイグ氏が演じる新しいジェームズ・ボンドの衣装として、定番として展開していた「リヴィエラポロシャツ」をご指名いただいたこと。