開幕6連敗で球団ワースト…なぜ横浜DeNA”番長”三浦監督の1勝が遠いのか…守れない勝負の鉄則
しかし、この日、打者全員がやることをやった上での敗戦か?と聞かれれば否だ。 広島先発、九里から先制はしたが、その後沈黙した。4回の2番関根から始まった攻撃は3人でわずか6球で終わっている。九里は丁寧に低めにボールを集め小さく沈ませる変化でゴロに打ち取っていくのが持ち味。典型的なグラウンドボールピッチャーである。この日も9個のアウトが内野ゴロだった。ただボールがひとつふたつ分上へ浮くと打ち込まれるという傾向もある。チーム全体で球数を少しでも投げさせ、疲れさせ、低めにコントロールできなくさせるべきだったが、本来、その役目を担う打順の打者に攻略の姿勢が見られなかった。5回を終わって球数は、京山の108球に対して九里は70球。好球必打のラミレス流のイケイケ野球が身についてしまった”功罪”かもしれないが、今こそ、全員で意図を持って攻略すべき時だ。 連敗脱出に特効薬はない。愚直にやれること、やるべきことを続けるしかない。 「(開幕6連敗を)結果として受け止めて、また明日ということです。終わったことは変えられない。明日なんとか変えられるように。早く勝ち試合を見せられるようにやっていくだけです」 三浦監督が言った。 連敗ストップの鉄則は【ヒーローの出現】である。投手が1点も与えなければ負けない。あるいは、打線が大爆発して1点でも多く取れば負けない(ヤクルト第3戦では11点を取って引き分けたが…)。 連敗ストップをかけた4日の先発には、今季初登板の阪口が向かう。開幕ギリギリまでローテーを争いながら最後に漏れた。平良にアクシデントがあり登録を抹消されたためチャンスが巡ってきた。ファームでは最速152キロをマークしている。 試合前のオンライン取材で阪口がこう言っていた。 「チャンスがくればやってやろうと思っていた。連敗? 今勝てていないだけだと思う。気にせず自分のボールを投げるだけ」 ちなみに前回の開幕6連敗は2009年だが、1960年にも開幕6連敗を喫している。名将、三原脩監督が率いたシーズンで、その後、”三原マジック”がさえわたって優勝した。 「知っているか? 記事では見ていますが、1960年?生まれる前なんで、さすがに…」 三浦監督は控えめにそう答えていた。止まない雨も抜けないトンネルもない。