【独占】横浜DeNA三浦監督が語る“番長野球”「外国人が開幕に間に合わないからオレたちが弱くなったと思われていいのか?」
いよいよプロ野球の開幕が26日に迫った。セ・リーグの6球団のうち、ただ1チーム新監督のもとスタートを切るのが横浜DeNAだ。現役時代にエースナンバー『18』を背負い、ファーム(2軍)監督を務めるなど監督としての英才教育を施された三浦大輔氏(47)がラミレス前監督の後を引き継ぎ、満を持して指揮を執ることになった。オープン戦は3勝7敗で12球団中11位。新型コロナウイルスの入国制限で、ソト、オースティンという主軸2人を欠いたことが響いた。しかも2人は開幕に間に合わない。“番長”三浦監督は、どう戦うのか。独占インタビューを2回に分けて掲載する。
「逆に燃える。やってやろうじゃないか」
オープン戦は苦しかった。12球団中11位の成績は、気にすることもないだろうが、その中身に問題は浮き彫りになった。チーム得点25は12球団で最下位、本塁打4、打率.210、そして課題にしていた盗塁数も4でいずれも12球団中11位だった。 オフに不動のトップバッターで最多安打を中日の大島と争った梶谷と、ローテーの一角を占めていた井納が巨人にFA移籍した。ただでさえ新監督として戦力ダウンでの船出を余儀なくされることになったが、それ以上に響いたのは、ソト、オースティンの2人の不在である。昨年2人で45本塁打、134打点を稼いだチームの核となる選手である。 ――大ピンチですよね? 失礼な質問を投げかけると三浦監督は笑い飛ばした。 「当初は緊急事態宣言が2月7日までだったのでギリギリ間に合うかもしれないとも思っていましたが、開幕にはもう間に合いません。就任当時は、まさかこうなるとは思っていなかったですよ(笑)。ライト・オースティン、ファースト・ソトと考えていましたからね。でもこれは僕にはコントロールできないこと。キャンプ、練習試合から、彼らがいないことを想定して若い選手を使ってきました。彼らにとってはチャンス。プラスに考えています」 三浦監督は現役時代から「逆境」にこそ燃えた。 「逆に燃える。やってやろうとね。選手にも言いますよ。“やってやろうじゃないか。外国人が来ないからオレたちが弱くなったと思われていいのか?”と。現役時代もそうでした。チームが弱い時代には、開幕前の順位予想は下の方。なんとかひっくり返してやろう、という反骨精神を常に持っていました。今も同じ気持ちです。若い選手には、死に物狂いでレギュラーを取りにいってもらいたい」 ソト、オースティンの合流前と合流後では違う野球を行わねばならない。 「2人がいる、いないでスタメンに出る選手が変わります。当然、野球が変わります。プラスアルファ、細かいことで得点力をあげたい」 ベンチが仕掛けて1点を取りに行く野球が必要になる。 キャンプ、オープン戦を通じて首位打者・佐野のレフト以外の空いた2つの外野のポジションには、桑原、神里、細川、関根、楠本らを使い、ソトの代役の一塁にはドラフト2位の牧にチャンスを与えた。牧は、2本の二塁打を含む打率.273で可能性は見せたが、昨年イースタンで本塁打、打点、得点、長打率、出塁率、四球の“6冠”を獲得した細川は打率.148、0本塁打とブレイクの兆しを見せることができなかった。機動力というプラスアルファにもチャレンジしてきた。結果、4盗塁しか成功しなかったが、三浦監督は、昨年、ファーム監督として盗塁、犠打、エンドランを多用して優勝争いをした経験がある。 「プラスアルファをキャンプから取り組んでいますが、まだ盗塁の成功率が低い。でもトライをしないといつまで変わりません。まず意識を変えたいんです。どんどんトライをしてもらいたい。そこからどう成功に結び付けるかを考えていきます。外国人が間に合わないのであれば、そういう選手が必要になってきます」