開幕6連敗で球団ワースト…なぜ横浜DeNA”番長”三浦監督の1勝が遠いのか…守れない勝負の鉄則
球数を考えると継投の選択肢もあったかもしれないが、この4連戦のブルペンの稼働状況と京山のピッチング内容を見ると続投は最善策だっただろう。三浦監督も「先発投手は(ピンチを)乗り越えてもらわないと困る。ブルペン陣は、ずっとスクランブルで待機しているし…。そう打たれて交代、打たれて交代で次が出てくるわけじゃない」と説明していた。 6回に桑原、関根、牧の3連打で2点を返した。ルーキー牧は、孤軍奮闘である。3点差。だが、今度は救援陣が【点を取った後に点を取れるな】の鉄則を守れない。 6回から7回へ回を跨いだ2番手の国吉が二死三塁とされて、松山を迎えたところで、三浦監督は、左腕の砂田にスイッチした。昨年の松山は、対右腕に打率.278で対左腕に打率.282。三浦監督は、「それ(左に好打率)も踏まえての決断。砂田のポジションも考えて…ああいうところを乗り越えてもらわないと」と、オーソドックスに左に左をぶつけたが、砂田も、またここで【ピンチで勝負は急ぐな】の鉄則を守れない。 初球からストライクゾーンで勝負しインサイドをストレートでつく。シフトデイフェンスを敷き、セカンドベースに寄っていたショート柴田の左を詰まった打球が抜けていった。もし通常のポジションであればショートゴロだったかもしれないが、今季の横浜DeNAはデータに基づき大胆に守備を動かす。松山は最初から打球方向を決め打ちしているようなバッティングだった。その狙いを察知する意味でも、1球様子を見ても良かった場面である。 6連敗中に目につくのは、ピッチャーのボールそのものは悪くないのに、配球のミスで防げる失点をみすみす相手に献上していることだ。ラミレス前監督は、投手との相性で捕手を選んでいた。三浦監督は、それを「状態がいいものを使う」という方針に転換したが、ここまでの配球には疑問符のつくものが多い。3連戦で相手チームにラッキーマンを作ってしまっているのも配球の影響による部分が少なくない。この部分の見直しは連敗ストップのポイントの一つになるのかもしれない。 「点を取った後に点を取られる」とゲームの流れとリズムをつかめない。必然、投打が噛み合わなくなってくる。 3連打で2点を返した6回。さらに無死二塁と続く追加点機に佐野、宮崎、田中の4、5、6番が揃って凡退した。 それでも三浦監督は「もちろん、クリーンナップには期待しているが、勝負にいっての結果。しょうがない。4番の佐野に重圧?今年から4番に座っているわけでも結果が出ていないわけでもない。信頼している。特に心配はしていない」と責めなかった。 「(選手は)みんなやろうとしているが…結果がついてこないだけ。ベンチでも声を出している。後はなんとか結果につなげるだけ」 三浦監督は選手をかばった。 連敗中も一貫して守り抜いているスタイル。「責任は監督」。選手をやり玉にあげたり、ボヤくことはしない。「横浜一心」という結束をチームスローガンに掲げた“番長流”やヨシである。そこに連敗脱出の可能性が隠れている。