「すべて監督の責任」5点差を守り切れず11対11の”ぐったりドロー”…なぜ横浜DeNA“番長”三浦監督は勝てないのか?
横浜DeNAが1日、横浜スタジアムで行われたヤクルト戦で5点のリードを奪いながらも救援陣が崩れて両軍合わせて28安打の乱打戦の末に11ー11のドロー。これで開幕から2分4敗となり、三浦大輔監督(47)は、またしても監督初勝利を手にすることができなかった。防御率19.29の左腕、石田健大(28)を8回から7回に配置転換してチャンスを与えたが、この采配が裏目に出た。三浦監督は、「選手は明日こそはと戦っている。すべては監督の責任」と敗戦を受け止めていた。
セットアッパー石田の投入が裏目
これでも勝てないのか。 2回にルーキー牧の走者一掃のタイムリーツーベースなど打者一巡の猛攻で7得点のビッグイニングを作ってゲームをひっくり返し、4回にも、佐野の二塁打を皮切りに大和、山本、代打倉本の3連打で2点を追加。この時点で11ー6と5点のリードを奪っていた。だが、この大量点がセーフティリードにならなかった。 9回一死一塁から期待の牧が三振、4番の佐野もフェンスギリギリのレフトフライに倒れると、三浦監督はベンチ裏には下がらずに選手と共にグラウンドに出て整列。スタンドに向かって深々と頭を下げた。 新型コロナの感染予防対策で、今シーズンは9回打ち切りとなっているが、試合時間は、4時間20分に及んだ。 三浦監督の表情にも疲労感がにじむ。 「勝てないのは監督の責任。責任は感じています」 負けに等しいドロー。またしても監督初勝利をスルリと逃した三浦監督は第一声で、そう懺悔した。 なぜ勝てなかったのか。 敗因のひとつは5点を守れなかったブルペンの崩壊だ。 石田がまた炎上した。 11ー7で迎えた7回に三浦監督は石田をマウンドに送った。“8回の男”だったが、ここまで登板した全4試合で失点。3月28日の巨人戦では1-0で迎えた8回に梶谷に同点タイムリーを打たれて引き分けとなり、30日のヤクルト戦では3点リードの8回に登板したが同点にされ、それが引き金になって逆転を喫した。 それでも三浦監督は投手陣のリーダーに「なんとかしようとコーチと取り組んでいる姿勢を見ている」「自信を取り戻させたい」と期待を寄せていた。4点差という楽なシチュエーションで、しかも、本来の役割のひとつ前の7回に石田を送り込んだ。 「7、8回のどちらでも…状況を考え(2人の)状態を見て、ヤス(山崎)を8回、石田を7回に持ってきた」 だが、この石田への温情采配が裏目に出る。 先頭のヤクルトの“要警戒打者“塩見にチェンジアップをレフト前に打たれた。二死を取ったが、代打の荒木に四球を与え、代打の渡邉に146キロの甘く入ったストレートをレフト線に運ばれた。 ここで三浦監督は平田へのスイッチを決断した。 「平田をカバーにつけていた」と、最悪のケースは想定してあった。2日前のヤクルト戦では、準備不足の山崎を慣れない回の途中に投入して失敗。今回は途中で行く準備をさせていたが、平田は山崎の初球に甘く浮くツーシームを投じて三塁線を破られて1点差に迫られた。山崎は、この3連戦で、ここまで14打数6安打と打ちまくっていたキーマン。連投にはなるが、万全を期して、左腕の砂田をワンポイントで挟んでもよかったのかもしれない。