「乳がんの入院中、本当はどう思ってた?」早発閉経・乳がん発覚した女性が夫と作った「モヤモヤを棚卸しする」習慣
36歳で早発閉経の診断を受け、不妊治療を進める中で乳がんが発覚。大きな困難を夫婦で乗り越えてきた太田可奈さん。結婚記念日には夫とある特別な時間を設けています。(全3回中の3回) 【写真】抗がん剤治療を共に乗り越えた旦那さんと「ちょうど髪も生え始め」ほか(全12枚)
■結婚記念日に「夫婦史」の時間を設けて ── 36歳で早発閉経、さらに不妊治療からの乳がん発覚。大きな困難を夫婦で乗り越えてこられました。こうした経験を経て、夫婦のカタチに変化はありましたか? 太田さん:どんなときも私の気持ちに寄り添って、つらいときにも前向きな言葉をかけ続けてくれた夫には、すごく感謝をしています。自分の人生にとって、彼がどれだけ大切な存在であるかを実感し、夫婦で過ごす時間をより大切に感じるようになりました。乳がんになってからは、結婚記念日に「夫婦史」の時間を設けているんです。
──「夫婦史」ですか?どんなことをするのでしょう? 太田さん:普段は仲よく過ごしているけれど、ちょっとした不満やモヤモヤを抱えることってあるじゃないですか。そんな日頃、言葉にしない思いを「実は、あのときどう思ってた?」と一緒に振り返る機会を作っています。 ── モヤモヤを棚卸しするわけですね。たとえば、どんな振り返りを? 太田さん: 些細なことなのですが、乳がんで入院したとき、あまり夫が心配しているように見えず、それが私のなかでモヤモヤしていたので「なんだかそっけなく感じたけれど、本当はどう思ってたの?」と聞いたんです。そしたら、私が不安で寂しがっているだろうと思って、いろいろ考えて準備もしていたのだけれど、私が病室の人たちとすごく仲よくなって、夫そっちのけで楽しそうにおしゃべりをしている姿を見て、拍子抜けしてしまったと。「決して心配していないわけじゃない」と言われ、ホッとしました。
夫婦だから理解しあえていると思っていても実際、口に出してみないとわからないことって意外とあるなと思いましたね。心に引っかかっていた小さなとげが抜けることで、気持ちが晴れて、お互いの信頼感と安心感につながる気がします。 ── 素敵な習慣ですね。小さなほころびを放置していると、のちに大きな亀裂を生むこともありますから。 太田さん:モヤモヤした事だけではなく、普段はなかなか言えない感謝の気持ちを言葉にする日だったりもするんです。「夫婦史」を始めて4年くらい経ちますが、以前よりも、お互いのことがよくわかるようになって心の距離が縮まった感じがしますね。