医学界の「今年の健康漢字」は?…7人の名医・研究者が一筆!今年の健康漢字2024
健康漢字 感染症の名医は「備」
感染症が専門の和田耕治先生が選んだ今年の健康漢字は「備」。歴史的に見ると新しい感染症の流行は繰り返し起こっており、感染症については誤った情報もあるので知識の備えが必要との事。さらに、この時期は風邪などが特に流行しやすいので感染症への備えが大切だそうです。 <よくある風邪の予防・対処法> よく聞く風邪の予防・対処法には「ビタミンCを摂る」「部屋を加湿する」「とにかく汗をかく」などがありますが、先生によると、これらの多くは風邪の予防対策としては間違っているとの事。ビタミンCについては、2012年に過去の全ての研究データを解析し風邪予防の効果はないと結論が出たそうです(※風邪の治療には効果があるという研究結果があります)。 <正しい風邪の予防・対処法> 先生によると、感染症対策の基本は手洗いをしっかりすること。風邪の予防には「ビタミンD」が良いと言われているそうです。ビタミンDは、日光に含まれる紫外線を浴びると体内で作られます。すると、身体の免疫細胞が活性化し、ウイルスの増殖を抑える効果が期待できるのだとか。そのため、1日30分を目安に日光を浴びるようにしましょう(※体調が悪い場合は控えたり寒さに気をつけたりして行なってください)(※日焼け止めを使用した場合、日光浴によるビタミンDの生成効果は大幅に減少します)。部屋の加湿については、冬は特に乾燥しているため加湿の効果があまり期待できないと言います。そのため、加湿よりは空気を入れ替える「換気」の方が効果的。汗をかく事に関しては、結果的に汗が出るのは良いですが、積極的に汗をかこうとするのは良くないそうです。 <糖尿病患者は特に注意> 糖尿病患者の死因の2位が風邪などによる感染症だそうです。そのため、冬場は風邪をこじらせないように特に注意しましょう。
健康漢字 整形外科の名医は「股」
整形外科が専門の高平尚伸先生が選ぶ今年の健康漢字は「股」。上半身と下半身をつなぐ最も大きな関節「股関節」は、とても大切な関節。股関節が外傷を受けたり重症化したりすると、歩けなくなるなど日常生活に支障が出ます。そんな股関節の治療法が近年進化したそうです。 <大切な股関節を守る治療法> 股関節の手術のなかでも、歩けないなど重症化した場合の根治治療が「人工股関節置換手術」。手術は、骨盤を削って受け皿を入れ、大腿骨の頭を取り除いて器具を埋め込み、骨盤の受け皿に器具をはめるというもの。先生によると、近年ロボットを利用した人工股関節置換術が開発され、人工関節を設置するときの設置精度が非常に高くなり安全性も向上しているとの事。そんな人工股関節置換手術は20年で4倍に増加。手術をすることで症状の改善が期待できるそうです。とはいえ、股関節の痛みや歩きづらいなどの異変を感じたら、早めに病院を受診しましょう。