“大虎事件”起こしたWBC世界王者の寺地拳四朗が再起へ“禊”のゴミ拾い…「新しい自分に生まれ変わる」
社会奉仕活動を紹介し、共にボランティアを手伝っている株式会社「村幸」の松村讓裕社長は、拳四朗の姿をこう評する。 「ボランティアの人が必要と、皆さんおっしゃってくれるのですが、なにぶんコロナで、今は、こういう活動も制限されるんです。その中でも拳四朗は、休まず、ほぼ毎日のようにコツコツと一生懸命やっています。反省? まだまだ(笑)。ここから立ち上がる途中ってことですね」 新しい拳四朗へ生まれ変わるーー。 禁酒を誓い1月に入って2泊3日の断食道場に入った。 「ファスティング」と呼ばれるものだ。それ以来、添加物をとらず、オーガニックを中心にした食生活に変え、体質を改善した。体重は3キロ落ちコンビニにもいかなくなった。 「その後も2週間続けて体調が全然違うんです。肌が綺麗になった(笑)。ボクシングにどんな効果が出るかわからないのですが、女子力は高まりました(笑)。生活が充実しています」 「DIY」にもはまっている。部屋の壁紙を自分で張り替えた。 「オシャレに模様替えをした」という。 もちろん、ニューケンシロウとしての変化はボクシングにもある。 3か月のライセンス停止処分を受けたが、練習は禁止されていないため、スパーリングも含めて「ガッツリやっている」という。 新しく取り組んでいるのはサイドの動きだ。 「僕のボクシングは縦の動きが多い。それで勝てますが、より圧勝するために横の動きを入れたいなと。これまでも横に動きは入れていたんですが、意識や理解はなく、自然とやっていたんです。相手のパンチを外す位置に移動し、さらに死角からも打てる。ただ、そればかりやると、今度は、距離が近すぎて肝心の縦の動きがなくなる。交互にやりながら、両方を擦り合わせています」 2019年12月23日に同級12位のランディ・ペタルコリン(フィリピン)を4回にキャンバスに沈めて以来、1年以上のブランクを作っているが、その空白があったからこそ新しい発見もあったという。 「ボクシングと距離を置いて、逆に理解力が高まった。休憩なしにずっとボクシングをしていると気づかないこともあるが、一度、休んだことで気づくことがあるんです」