【ABC特集】“オシャレする喜び届けたい!” 移動美容室「ヘアサロンカー」が障害者や要介護者の自宅を訪問
病気や障害などで、美容室に行きづらい人にもおしゃれを楽しんでほしいと、トラックを改装して「移動美容室」を作った美容師の男性がいます。 【オシャレする喜び届ける】難病や障害などで美容室に行きづらい人のために・・・街を走るヘアサロンカーに密着 【newsおかえり特集】 街を走る「ヘアサロンカー」に密着しました。
トラックの荷台にシャンプー台 カットにカラー・パーマもOK
兵庫県加古川市で、美容室「TEADA(ティーダ)」を経営する安大 陽平(あんだい・ようへい)さん(45)。 安大さんが3年前に完成させたのが、「きりにいこっカー TEADA」です。生協の配達トラックを約1000万円かけて改装。電動リフトで、車イスに乗ったまま入ることができるバリアフリー仕様です。
(安大さん)「このトラックは全てのメニューに対応しています。シャンプー・カラー・パーマ・カット・ストレートパーマ、全て準備が整っています」 訪問先の敷地内に止めるため、車は一般家庭の駐車場に入る大きさです。 (安大さん)「(Q.きょうは何軒訪問する?)きょうは4軒です。(通常)午前中に訪問、3時くらいまで。午後3時以降は美容室で働いています」
病気や障害を抱える利用者のもとにトラックを走らせる
22歳の島田伊織さん。全身の筋力が弱くなる難病「先天性ミオパチー」で、人工呼吸器をつけながら生活しています。伊織さんは、タブレットを通じて意思を伝えます。 (伊織さんのタブレット)「安大さん、かっこよくしてください」
利用者は医療的な配慮が必要な人も多く、衛生面には特に気を配りながら進めます。 (安大さん)「エアクリッパーと言って、バリカンで切った髪の毛を吸い上げる。人工呼吸器をつけている方などは、この機械で施術する」
10分もかからず完成したのは、店舗でも人気だというツーブロックスタイル。店舗でのカットと変わらず、トレンドを取り入れたスタイルを提供するのが安大さんのこだわりです。 (伊織さんの母親)「(Q.以前は家庭でカットしていた?)家で切ることも多くて、伸びたら切るっていう感覚で髪の毛を切っていたんですけど、安大さんにお会いしてから本人おしゃれを意識して、かっこよくなれたことをすごく喜んでいます」 (伊織さんのタブレット)「安大さん、ありがとうございました」 「きりにいこっカー」の営業エリアは加古川市と、高砂市や三木市など近隣の市町村。訪問先は個人宅や病院などの施設170軒以上で、月に平均50人ほどが利用しています。
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