実家が貧乏で「結納」できず、義父に反対されるも結婚した名門大卒夫…数十年後、超有名企業の社長レースで敗北。年上妻に「離婚したい」のワケ
出会ったときの関係性は、結婚後の生活に少なからず影響があるようです。それがプラスに働けばよいのですが、場合によっては離婚の原因となるケースも。本記事では、離婚カウンセラーである岡野あつこ氏の著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)より一部を抜粋・再編集し、ある夫婦の事例とともに、末永く結婚生活を送るための「ストレスの伝え方」について解説します。 【ランキング】47都道府県「離婚率」
大企業の社長候補だった夫が急に「離婚したい」
出会ったときの関係性は、結婚後しばらくたっても尾を引くものです。そもそもアプローチしたのはどっちだったか、その時点でどちらのほうが経済力があったか、といったバランスというかポジションどりが後々の夫婦関係にも微妙に影響するのです。学歴がそれほどでもない夫と、高学歴な妻の間で、長年ギクシャクした関係が続いていた例も。学歴以外にも収入の多寡や、仕事の忙しさなどがマウンティングの材料になりがちです。また、「自分は男だけど家事をがんばっているほうだ」とか、「夫は男だから高い給料をもらえている」などと、ジェンダー要素も絡んでくることがあります。 かつて、こんな相談を受けたことがあります。相談者は六〇代の女性。少し年下の五〇代の夫がいます。ある日突然、夫が「離婚したい」と言い出したそうです。「寝耳に水」の話だったので、驚いて私のところに駆け込んできました。 男性が急に「離婚したい」と言い出す場合、真っ先に疑うべきは、浮気や愛人の存在です。そのため、この女性とも相談して、探偵に調査を依頼しました。でも浮気の証拠どころか、女性の影すら見つからず、すぐ打ち切ることになりました。実際のところ、原因は浮気ではなく、他のところにあったのです。 夫は名門大学を出て、誰もが知る大企業に就職、順調に出世して、最近まで社長レースにも参加していたそうです。ただその企業の本社の社長にはなれず、関連会社の社長に就任しました。夫はドラマ『半沢直樹』のような権力闘争の世界にいたわけです。きっと、いろいろつらい目にもあっていたでしょう。 一方、相談者の女性は専業主婦で、夫のそうした社内状況について関心がありませんでした。社長レースに負けても、クビになるわけじゃないし、何も問題はないじゃないかと気にしてもいませんでした。万が一クビになったところで、夫は名門大学出身で関連会社とはいえ社長にまで上りつめたわけだし、すぐ再就職できる、くらいに思っていたそうです。 この夫婦には子どもが三人いました。海外に留学している子どももいて、教育にはかなりお金をかけているようでした。その費用を捻出するために、夫は必死に働いて出世してお金を稼いでいたわけですが、妻はその苦労をあまりわかっていませんでした。 だから妻がすべて悪い、ということではありません。夫のほうにも反省すべき点がいろいろありました。夫は真面目で寡黙、あまり自分のことを語らないタイプでした。家に帰っても、会社でこういうことがあったとか、部下がこういうことをした、という話をしたためしがありません。社内権力闘争のことも「どうせわからないだろう」と妻に説明していなかったのです。 妻が「夫は会社でうまくやっている」とばかりにノー天気にかまえていても不思議ではありません。
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