【ABC特集】“オシャレする喜び届けたい!” 移動美容室「ヘアサロンカー」が障害者や要介護者の自宅を訪問
2年前から利用している、かずよさん(76)。病気の影響で下半身が不自由になり、一人では外出することができません。 (かずよさん)「体不自由やから、よけい髪の毛きれいにしときたい」 (安大さん)「そやね。やっぱりきれいにしたら気分違います?」 (かずよさん)「そら違うわ~」
給湯器と水のタンクを備え、車内にいながら温かいシャワーが可能。安大さんは、介護の知識や介助方法を学び、理美容師免許の他に、NPO法人が認定する「福祉理美容士」の資格も取得しています。
美容師歴27年の安大さん。18歳で加古川市内の美容室に就職、30歳の時に独立し「ティーダ」を開業しました。今では訪問専任スタッフ含む9人の従業員を束ねるオーナースタイリストです。訪問美容を始めたのは今から3年前。 (安大さん)「きっかけは、シンプルに店に来ていたお客様がご高齢になったり、障害者になったりっていうところから、来られなくなっているのだったら行ってあげたいなっていうのが一番の走り出しで。今一番僕が向き合っているのは、知的障害や発達障害の子どもさん。高齢のお客様と同じくらい増えてきているんですよね」
障害を抱えた人の気持ちがわかるからこそ「気軽に利用して」
実は、安大さんの8歳の長男も知的障害や発達障害があります。 (安大さん)「初めて行くところって、すごいハードルが高すぎて、(障害がある人の親は)うちの息子・娘が暴れるんじゃないかとか、奇声をあげるんじゃないかとか、人に迷惑をかけるんじゃないかなと考える」 ためらう気持ちがわかるからこそ、気軽に依頼してほしいと考えています。 (安大さん)「行ってできなくても別に料金はいらないです。ただ僕は利用者様とお会いしたいと。一回会ってみるだけでも会ってみませんかって」
19歳のここねさんも、そのうちの一人です。 (安大さん)「じゃあ一回乗ってみようか」 (ここねさん)「怖くない?」 (安大さん)「怖くないで。先生(安大さん)ついてるから大丈夫」 7回目の利用ですが、この日は車に乗るのが怖いようです。無理強いはせず、気持ちが変わるのを待つこと5分。 (ここねさん)「がんばるわ」 (安大さん)「大丈夫、いつも通り・・・ほいついた。できたね~」 ここねさんは、自分からカット台へ。
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