「落ち着きがない」と言われた息子が不登校に…普通学級から特別支援学級への転籍を考えるまで
特別支援教育を受ける子どもの数は、令和4年の調査で過去最多のおよそ60万人。直近10年間で、義務教育段階の児童生徒数は減少する一方で、特別支援教育を受ける児童数は倍増している。 【写真】「学校に行きたくない」そう言って動かなくなった息子。親を支える言葉とは 特別支援教育についての相談も後を絶たない。小・中学校等の教員からの相談対応及び自校に在籍する幼児児童生徒以外の子供及び保護者からの相談対応を実施している特別支援学校への相談延べ件数は、小・中学校等の教員からの相談が110,387件、子供及び保護者からの相談が92,998件。特別支援学級で学ばせる決断ができず、普通学級に通わせた結果、不登校になる子どももいる。 このような環境で悩み苦しむ子どもと親を、NPO法人『福祉広場』代表の池添素さんは支えている。不登校や発達障害の子どもと親にかかわり続けて40年。親たちに「素さんがいたから私たち親子は生きてこられた」と感謝される。不登校児の親たちを勇気づけ、闇から救い出した言葉とは。 池添素さんに子どもの不登校の現状についてジャーナリストの島沢優子さんが取材し、具体的なエピソードと共にお伝えしていく新連載第2回「子どもの不登校と向き合うあなたへ~待つ時間は親子がわかり合う刻」。第1回でお届けした、4歳のときの「不登園」から子どもに向き合う家族の姿にも大きな反響があった。第2回では「特別支援学級」のことも具体的にお伝えしていく。 池添 素(いけぞえ・もと) NPO法人「福祉広場」理事長。京都市職員として保育所や児童福祉センター療育課などで勤務した後、1994年に「らく相談室」を開設。2012年にNPO法人福祉広場へ移行し、相談事業を継続している。子育て相談、発達相談、不登校相談、ひきこもりや親子関係の相談など内容は多岐にわたり、年齢も多様な相談を引き受けている。著書に『ちょっと気になる子どもと子育て―子どものサインに気づいて』『いつからでもやりなおせる子育て―子どもといっしょに育ちを振り返る』『笑顔で向きあって-今日から始める安心子育て-』『子育てはいつもスタート―もっと親になるために』『いつからでもやりなおせる子育て第2章』(いずれも、かもがわ出版)『育ちの根っこ―子育て・療育・つながる支援』(全障研出版)『子どもを笑顔にする療育―発達・遊び・生活』(全障研出版)『連れ合いと相方―介護される側と介護する側』(共著=かもがわ出版)立命館大学産業社会学部 非常勤講師、京都市保育園連盟巡回保育相談員。