「はやぶさ2」カプセル回収前にJAXA会見(全文3)カプセルの地球帰還を優先
自力での進路調整の余地はないのか
ニッポン放送:ニッポン放送、畑中と申します。ありがとうございます。津田プロジェクトマネージャに伺いますが、2点伺います。前回の説明会で約360万キロ彼方からプラマイ10キロを狙うのは1キロ先にいるテントウムシを狙うようなものだという例えをされましたが、現状、例えばカプセルの分離の辺りではそれを何か適切な例えというのがあるのかというのが1つと、あとこれはもう1つ確認なんですけど、カプセルが分離されたあとはパラシュートはもう自力では進路調整の余地というのはないんでしょうか。といいいますのは、やっぱり12時間着地まで時間があるので、その間、大丈夫なのかなというのがちょっと感じるところでありまして、その辺のところを教えてください。 津田:ではまず第1点目のご質問で、以前はTCM-3をやるところだったので360万キロ辺りからテントウムシを狙う。あれ、そう言いましたっけ。そうですっけ。 ニッポン放送:1キロ先にいるテントウムシを狙うっていうふうにおっしゃいました。 津田:あ、1キロ。ごめんなさい。360万キロ先の10キロなので、それは1キロ先のテントウムシを狙うのと同じぐらいですということですね。今はそのテントウムシのどっかに当たればいいと思って投げたつもりだったんですが、実はもっと精度がいいということが分かっています。ですので、どう言えばいいんですかね。1キロ先のテントウムシの心臓を狙うというか、心臓ってあるんですかね。テントウムシの星ですかね。ナナホシテントウの真ん中の星を狙えるぐらいの精度が出ているというふうにお考えいただければと思います。 それから進路調整ですけども、カプセル自身は本当にできないです。これはもう本当に1回切り離したらそのときの勢いのまま飛ぶということで、われわれはその先どう飛ぶかということを読み切った上で切り離し作業を行うことになっています。その読み切るっていう作業は今朝終わりました。その読み切った先が資料の中でお見せした100掛け150の南東に33キロメートルずらしたっていうところですね。そこを狙うことになりますが、高空では偏西風っていうのが吹いてたり、当日の風の予想もあるんで、そういうことも含めてできるだけ真ん中に落ちるように狙いを定めたということになっています。 ニッポン放送:分かりました。お祈りしております。ありがとうございます。 司会1:では続きまして、じゃあまず一番奥の前から3列目の手をあげている、お願いします。 【書き起こし】「はやぶさ2」カプセル回収前にJAXA会見 全文4に続く