蘇った闘争心…なぜ渋野日向子は2年ぶりとなる涙の復活Vを果たせたのか…「2年前の自分より強くなれる」
女子ゴルフの国内ツアー「スタンレーレディス」の最終ラウンドが10日、静岡・東名CC(6592ヤード、パー72)で行われ、渋野日向子(22、サントリー)が68で回り、通算10アンダーで4人が並んだプレーオフを2ホール目のバーディーで制し、2019年11月の「大王製紙エリエールレディス」以来のツアー通算5勝目を果たした。 2年ぶりの優勝の瞬間、涙があふれ出て、“しぶこスマイル“ではなく、”泣きのしぶこ”となったが、その涙の理由について、優勝会見の冒頭でこう説明した。 「こんなに早く勝てるとは思わなかった。不思議な気持ちでいっぱいです。勝てなかった2年間は短いようで長かったのか、長いようで短かったのか…。よく分からないけど、いろんな思いがこみ上げてきた。いろんな人にいい報告ができると思ったら涙が出てきました」 首位と2打差の5位タイから出た最終日。最終組の1組前で回り、前半のアウトは8番(パー5)のバーディーで一つ伸ばしただけ。10番(パー3)で4メートルのパーパットを外し、首位との差は4打差にまで広がったが、このボギーが逆に発奮材料となった。 「ヤバいと思った。ギアを上げていかないと…。いつ優勝争いができるか分からない。悔いが残らないようにプレーしたいと思った。去年なんて勝ちたいと思ったのは(12月の)全米女子オープンでチャンスがあったときくらい。本当に弱気だったと思う」 強くなるために今年に入ってスイング改造に取り組み始めた。だが、結果はなかなか出ない。 3週連続でトップ10入りした前週の「日本女子オープン」直後も「まだ勝てる気はしない」と発言。 「AIG全英女子オープン」の優勝など大ブレークした2019年は数多くの本音トークも大きな注目と人気を集めたが、今年は本心がなかなか読めない慎重な言い回しも多くなっていた。 久しぶりに巡ってきたチャンスをものにした後半のプレーとプレーオフ。その戦いぶりは、「悔いが残らないように」を証明するかのように、渋野が本来持っている闘争心の覚醒を感じさせるものだった。