なぜ渋野日向子は3週連続トップ10入りも「優勝できる感覚はつかめていない」と語ったのか…抱える葛藤と進化の手ごたえ
今年の女子ゴルファー日本一を決める「日本女子オープン」は4日に栃木・烏山城CC二の丸・三の丸C(6550ヤード、パー71)で最終ラウンドが行われ、首位から出た勝みなみ(23、明治安田生命)が通算14アンダーで逃げ切り、国内メジャー初制覇を果たした。最終ラウンドは6バーディー、1ボギーの66で回り、2位の西郷真央(19、大東建託)、上田桃子(35、ZOZO)に6打差をつける圧巻の独走V。単独首位に立った第3ラウンド後に「本当に勝ちたい大会」と宣言した通りの勝ちっぷりだった。 アンダーパーで競技を終えたのは9人だけで、4日間の平均ストロークは72.8699。決勝ラウンド2日間でバーディーがわずか2個だった最難関ホールの17番(パー4)を始め、多くの選手が悪戦苦闘した難コースでマークした勝の驚異的なスコアに、「かっちゃんは一人だけ違うコースを回っていた感じ」と脱帽したのが、通算2アンダーで5位タイで終わった渋野日向子(22、サントリー)だった。 “しぶこ“の今大会の戦いをどう評価すべきか。そして彼女がホールアウト後に口にした「優勝できる感覚はつかめていない」という発言の意味とは?
通算2アンダーで5位に終わる
渋野は第1ラウンドを3アンダーの68で回り、首位と2打差の4位と好発進に成功した。だが、台風16号の接近で1日順延された第2ラウンドは4オーバーの75をたたき、33位に後退。第3ラウンドは66の猛チャージで6位に浮上したが、最終ラウンドはスコアを2つ落として通算2アンダー。それでも順位は1つ上げて、3週連続のトップ10入りとなる5位タイで大会を終えた。 「何度かチャンスはあったけど、パットを決めることができなかった。フラストレーションが溜まるゴルフ。結局、今週も(自分は)チャンスをものにできないヤツだなと思った。4日間を通じて、安定したプレーができていない。まだ優勝できる感覚はつかめていないですね」 異例の月曜決戦となった最終ラウンドは1バーディー、3ボギーの73と不発に終わった。大勢のギャラリーの前でも、“しぶこスマイル“は曇りがち。だが、9月の「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」第1ラウンド途中から、翌週の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の最終ラウンド途中まで70ホール連続ボギーなしの自己記録をマークし、今回も第3ラウンドはボギーなし。調子は確実に上向いている。 ここ3週の成績は再現性と安定性を高めるために今年に入ってから取り組んできたスイング改造の成果だろう。 渋野自身も「日替わりというか1打替わりのときもあるけど、ちょっとずつ自分がやりたいスイング、打ちたい球が打てるようになった」と及第点をつけた。