第二形態へ進化…なぜ渋野日向子はスランプ脱失の兆しを見せたのか…通算6アンダーで今年初のトップ10入り
女子ゴルフの国内ツアー「住友生命レディス東海クラシック」の最終日が19日、愛知・新南愛知CC美浜C(6502ヤード、パー72)で行われ、大会コースレコードタイの63をマークした西村優菜(21、スターツ)が5打差を逆転し、通算10アンダーで優勝した。 18日の第2ラウンドが台風14号の接近による降雨のためコースコンディション不良で中止となったため、36ホール決着となった短縮競技。アウトスタート最終組の5組前の15位から出た西村は、自己ベストを2打更新する9バーディー、ボギーなしの猛チャージで先輩プロたちを蹴散らしたが、同じく最終日に急浮上して4位に食い込んだのが、通算6アンダーまで伸ばした渋野日向子(22、サントリー)だった。 8月の「AIG全英女子オープン」から帰国後の隔離期間が明け、国内復帰2戦目となった注目の試合。今年は、積極的に海外に出て米ツアーに8試合出場、国内ツアーはこの大会が9試合目で、日米合わせて17試合目でようやく初のトップ10入りを果たしたのである。 最終ラウンドは4バーディー、ボギーなしの68。12番(パー5)は「ショットを曲げ散らかした」とラフを渡り歩いたが、4オン1パットで切り抜けた。「調子はよくなくて、ノーボギーだったのが不思議。でも、しっかりパーを拾えたし、アンダーで回れた。まだまだだけど、久しぶりのトップ10でうれしい」。自己採点は及第点。 「2番でバーディーを取ったときは、少しだけ優勝を意識した。でも、(ラフに入れた)3番のティーショットで終わったなと…。目の前のプレーに集中してやったけど、首位との差はスタートのときと同じ4打差のまま。こんなもんかという感じですね」 満足度はまだ低かったが、復活の手応えを感じとる大会となった。 なぜ渋野はスランプ脱出の兆しを見せたのか。 2019年には最終日にツアー史上2位の大逆転となる8打差をひっくり返し、ツアー3勝目を挙げた思い出の大会。今年は第2ラウンド終了後に予定されていた恒例の「ドライビング女王コンテスト」に初出場することも明言していたが、台風で、そのドラコンも中止になった。 2年前は、「出ません。私より飛ぶ人がいっぱいいる」と興味をまったく示さなかったドラコンへ一転、参戦を表明していた。なぜ渋野は、心変わりしたのか。実は、このドラコン参戦に現在の渋野が求めているもののヒント、そして今年初のトップ10入りを果たした理由が隠されていた。