先発、救援で防御率0点台…巨人で来季の起用法が注目の「大型左腕」は
来季こそ先発枠に
プレミア12の決勝ラウンドに進出した侍ジャパンはアメリカ、ベネズエラ、台湾に快勝して2連勝。決勝進出を決めた。巨人からは大勢、戸郷翔征、井上温大がメンバーに選出されている。この左腕も能力の高さで比較すれば、決して上記の3投手に見劣りしない。来季の大ブレークが期待されるのが、身長190センチの大型左腕・横川凱だ。 【選手データ】横川凱 プロフィール・通算成績・試合速報 今季は12試合登板で3勝1敗、防御率0.94。長身から角度のある直球、カットボール、スライダー、カーブ、フォークと多彩な変化球を織り交ぜて打者を打ち取る。先発、救援と与えられた役割できっちり結果を残した。4年ぶりのV奪回に大きく貢献したが、満足感はないだろう。横川は追いかけなければいけない投手たちがいる。同期入団でドラフト6位の戸郷は3年連続12勝とエースとしての階段を順調に上っている。1学年後輩で、ドラフト4位の左腕という共通点がある井上温大も25試合登板で8勝5敗2ホールド、防御率2.76と好成績をマークした。今オフの戦力補強で変化があるが、来季の先発陣を考えたときに戸郷、山崎伊織、グリフィンは当確だろう。井上も一歩リードしている。横川は残りの2枠に入りたい。 「井上の活躍は良い刺激になっているでしょう。上背が高い選手は体を操るのに苦労するケースが多いですが、器用に変化球を操り、フィールディングもうまい。投手としての総合力が高く、先発向きの投手だと思います。今季最多勝に輝いた菅野智之が海外FA権を行使してメジャーに挑戦するので、新たな力の台頭が望まれます。横川はブレークの筆頭候補として期待が大きい」(スポーツ紙記者)
高校時代は「最強世代」の一員
大阪桐蔭高では同学年の根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)、柿木蓮(日本ハム)を中心に、3年時に甲子園春夏連覇を達成。横川も「最強世代」のメンバーの一人だが、根尾、柿木に次ぐ「三番手投手」という位置づけで主役ではなかった。プロの世界は厳しい。根尾は野手から投手に転向するなど紆余曲折を経て、今季は3試合登板で0勝1敗、防御率9.39。プロ初白星を挙げられなかった。日本ハムに入団した柿木は22年オフに育成契約になると、2年連続で一軍登板なしに終わり、今年限りで戦力構想から外れて退団。他球団での現役続行を目指し、12球団合同トライアウトに参加した。