【Q&A】WHOのテドロス事務局長ってどんな人?
新型コロナウイルスが世界的に蔓(まん)延する中、世界保健機関(WHO)の存在感が増しています。特にトップのテドロス・アダノム事務局長は記者会見やSNSでの発信により、多くの人が知るところとなりました。では、テドロス事務局長とはどのような経歴を持った人物なのでしょうか。WHOの公式資料などを基にみてみます。
Q:WHOとは?
WHOは、国際連合(国連)の専門機関です。「人種、宗教、政治思想、経済や社会状況などに関わらず、世界のすべての人が最高水準の健康を受ける権利がある」との考えの下、加盟国や民間企業、NGOと連携しながら世界各地で活動しています。 1948年に設立され、いまでは194か国が加盟しています。本部はスイス・ジュネーブですが、世界各地に150の拠点があります。これらの組織のトップに立つのが事務局長です。
Q:歴代の事務局長は?
WHO事務局長の任期は5年です。4期20年を務めた人もいます。 日本出身者もいます。医師の中嶋宏氏です。中嶋氏は73年にWHO入りし、西太平洋地域事務局長などを経て事務局長となり、1988年から98年まで2期10年間務めました。中嶋氏は国連機関トップを初めて務めた日本人でもあります。 これまでの事務局長の出身国は以下の通りです。 【1代目】カナダ【2代目】ブラジル【3代目】デンマーク【4代目】日本【5代目】ノルウェー【6代目】韓国【7代目】中国(香港)【8代目】エチオピア
Q:テドロス事務局長の経歴は?
テドロス事務局長は1965年3月3日生まれ。アフリカの北東部にあるエリトリア(1993年にエチオピアから独立)の出身です。英国のロンドン大学やノッティンガム大学で公衆衛生や感染症について学びました。 WHOの事務局長に就任する前にはエチオピアの保健相(2005~12年)、外相(12~16年)を歴任。保健相としては、国内の医療制度改革を推進し、多くの国民が適切な医療を受けられる環境を整備しました。また、エチオピアだけでなく国際的にもマラリアやエイズ、結核対策などに携わりました。