【Q&A】WHOのテドロス事務局長ってどんな人?
Q:事務局長としてのテドロス氏の活動は?
テドロス氏は2017年、アフリカ出身者としては初めてのWHO事務局長に選出されました。 「みんなでより健康な世界を」――。 テドロス事務局長の言葉としてWHOのサイトに書かれている文言です。17年の就任時には、(1)世界のすべての人々の健康(2)健康上の緊急事態(3)女性や青少年の健康(4)気候や環境による健康への影響(5)WHOの変革――を5つの柱を最優先事項として掲げました。
Q:「中国寄り」との批判もあるけど?
2020年に入って中国の武漢市から世界に感染が広がった新型コロナウイルスをめぐり、中国当局の初動の遅れとともに、WHOに対しても「中国寄り」で甘い対応だとの批判があります。その急先鋒は、WHO予算の最大の拠出国である米国のトランプ大統領です。 トランプ政権は、新型ウイルスの情報共有が遅かったことや、中国からの入国制限にWHOが反対したことなどを理由に「WHOは中国に支配されている」と主張し、WHOからの脱退を表明しました。もっとも11月の大統領選では「WHOへの復帰」を掲げるバイデン元副大統領の勝利が伝えられています。 アフリカでは多く国が中国からの開発援助を受けており、エチオピアも例外ではありません。テドロス氏自身は「中国寄り」との姿勢を否定していますが、母国であるエチオピアと中国の関係性がそういった見方を助長したのではないかと分析する専門家もいます。