イライラして、つい子どもにあたってしまった…と後悔しているママ・パパたちへ。イライラ撃退法を教育の専門家が伝授
不要な焦りが安心に変わる?子どもの成長の特性を知っておこう
「もう1つ、今後の子育ての悩みを少し軽くできるかもしれない、子どもの成長特性についてもお伝えしましょう。 脳の構造には男女で違いがあり、それは以前、男の子脳と女の子脳と言われていました。このネーミングがジェンダー差別の観点から問題視する人がいて、私は現在、それを晩熟脳・早熟脳と言い換えています。 男の子は晩熟脳を搭載していることが多く、女の子は早熟脳を搭載している可能性が高い。ただこれには例外があって、女の子の中に晩熟脳の子もいるし、男の子の中に早熟脳の子もいます。 ちなみにそれぞれの特長を説明してみましょう。 早熟脳は自己管理能力が小さいうちから高いので、物の管理や整理整頓、片付け、身支度などもできるようになるのが早いです。時間の観念がしっかりしているし、切り替えも早い。そして嫌だけど、やらなければならないこともやろうとします。 一方、晩熟脳の子はすべて反対で、嫌なことは後回しで、自分のやりたいことだけをやりたがります。時間の観念はないし、切り替えもなかなかできない、いわゆる『この子は手がかかるなぁ』と感じるのは、晩熟脳の子なんです。 でも、『うちの子は晩熟脳だからダメだ』などと思う必要はなくて、長所と短所はコインの裏表。自己管理力がない子=やりたいことをやる子なので、独創性やクリエイティビティーに優れています。時間の観念がないという特性は、いつまでも好きなことをやっていられるという集中力につながります。 こうした晩熟脳の長所は、成長するにつれ花開き、後伸びしていきます。 だから、今手がかかるのは脳の特性によるものであり、その子がサボっているわけではないのです。いずれグンと伸びる時期がくるので、今はひたすら親子関係をよくして自己肯定感を持てるようにしてあげることが大切です。 話が少々脱線しましたが、親がキレる原因は、子どもではなく、親の忙しさにもあるのではないかと私は考えています。 特に日本のママはやることが多すぎ。だから、やることの優先順位をつけて、それほど必要でないものはどんどんと手を抜いていきましょう。 子育て家庭の優先順位の上位は、まぎれもなく親子関係ではないでしょうか。そこがよければ、洗濯物を畳んでなかったり掃除が行き届いていなかったりしてもいいと、 私は思っています。 親も子も笑顔でいられるーーそんな家庭がいいですよね。 笑顔を増やすためには親子で写っている写真を玄関やリビングなどに貼って、日頃から見るようにするのはオススメです。また口角を思い切り上げて、スマイルしてみるのも効果的。こうして笑顔になることでで幸せホルモンが分泌されるようになり、実際に明るく楽しい気持ちになれるといいます。 少しずつイライラを撃退して、時には自分なりのストレス発散もして、笑顔あふれる家庭を築いてほしいと思います」(親野智可等さん) イライラした自分に気づき、たかぶった気持ちをしずめる方法を知る。それだけでも一歩前進しそうです。2人の男の子を育てた母としては、晩熟脳の話も腑に落ちました。成長の仕方に違いがあるのなら、将来を楽しみにしつつ今、目の前の我が子に寄り添っていくことが、親ができる数少ないことなのかもしれません。 (取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)