イライラして、つい子どもにあたってしまった…と後悔しているママ・パパたちへ。イライラ撃退法を教育の専門家が伝授
子育て中はやるべきことが多くて、ついイライラしてしまう日もあるのではないでしょうか。そんな気持ちのまま、子どもと接するとつい我が子にきつくあたってしまう場面も。 そこで、「言い方ひとつ・やり方ひとつで子育ては、もっと楽になるし、楽しくなる」と発信している教育評論家の親野智可等さんに、育児中のイライラ撃退法についてお聞きしました。 【画像】7割の母親が生み育てにくいと回答、理由は経済的不安
いろいろなことが重なってイライラしてしまった時は…
「たまひよ」アプリユーザーに、子どもについ言ってしまった「後悔している言葉」があるかどうか聞いたところ、多くの体験談が集まりました。その一部をご紹介しましょう。 「『しつこい』。抱っこしておろしての繰り返しで、つい言ってしまいました」(さき) 「泣き止まない時に一度だけ『うるさい』と言ってしまった」(ちまる) 「イライラしていて、『嫌い』と言ってしまったこと」(あい) 「『なんでできないの!』とか『ダメって言ってるでしょ!』と大きい声で言ってしまったことです。その時は自分も不安定で、そうすれば気持ちが伝わると思ってしまっていたような気がします」(ひよこ) イライラしていたり、育児中で手いっぱいになっている時につい、きつい言葉が出てしまうようですね。 そういう時は、まず親自身が「今、自分はイライラしている」と気づくことが大事と話す、教育評論家の親野智可等さんに聞きました。 「生活の中でイラッとすることは誰しもあることですが、そのイラッとした時に、『私、今イラッとした』とその状況に気づくことがとても大事です。 もう1人の自分が自分を俯瞰して見ているようなイメージですね。『私、今キレそうだな』『今イラッとしたな』と気がつくと、イライラに飲み込まれなくてすみます。逆に気づかないと、イラッとしたまま、子どもに『ダメでしょう』とか『なんで? 』と言ってしまいがちなのです。 イラッとしたと気づくことができたら、次にやってほしい私のイチ推しは深呼吸です。胸いっぱいに空気を吸って、ゆっくりと吐き出して呼吸を整えると、徐々にイライラは落ち着きます。 これは怒りへの対処術、いわゆるアンガーマネジメントの中の、簡単にできる効果的な方法です。 そのほかにも以下のような方法があります。 ・怒りを感じた時に6秒数える(人間の怒りの持続は長くても6秒と言われるため) ・その場から離れる ・無理矢理、口角を上げて笑顔になってみる ・自分で『大丈夫、大丈夫』と言い聞かせる これらのアンガーマネジメントについては、インターネットで調べれば、多くの方法が紹介されているので、自分に合う方法を見つけるといいでしょう。 そのほかにおすすめなのは、日頃からイライラやストレスを純粋に発散させておくという方法です。 たとえば、『ママね、今日嫌なことがあってイライラしてるの。あなたのせいじゃないけどね。だから犬語のケンカに付き合って』と子どもに頼みます。そして、子どもと向きあって『ワンワンワン!』と犬語でケンカするのです。1分もやると溜め込んだストレスがけっこう発散できますよ。 この発散法、実はもう一つ大きな効果があります。 大笑いしたりはしゃいだりしているとき、脳の扁桃体が活性化されています。その後、静かになるときは、脳の前頭前野が扁桃体にブレーキをかけます。この繰り返しで前頭前野が扁桃体にブレーキをかける力がつきます。扁桃体は情動や感情を司る部位なので、イラッとしたときも扁桃体が活性化されます。日頃から、よくはしゃいだり大笑いしたりしている子は前頭前野がブレーキをかける力がついているので、イラッとしたときもキレたりしなくなります」(親野智可等さん)