横浜DeNAが執念ドローのG戦で見せた光と影…泥沼連敗中でも他球団が”番長野球”の巻き返しを警戒する理由とは?
“ぶっつけ本番“でスタメン起用して4試合目になるソトとオースティンの助っ人コンビが少しだけ目を覚ました。7回。そこまで今村に対してタイミングのあっていなかったソトが外から入ってくるスライダーに体を泳がせながらレフトのポール際に運んだ。突っ込み気味のオーバースイングが目立つソトにしてみれば、一番、ボールをバットに乗せやすく、運びやすいボールだった。そして8回にオースティンが続いたのである。 「本来の調子まで戻っていないが、いることで打線のつながりは出てくると思う。あとは結果につなげるだけ」 2人の状況を冷静に把握している三浦監督は、この日、打順を動かした。 宮崎を2番に起き、ポイントゲッターとして好調の牧を5番に置いた。宮崎は2安打を放ち、8回には進塁打でオースティンの同点タイムリーのお膳立てもした。牧は4回二死一塁から三塁線を抜けてもおかしくなかった長打コースの打球を岡本の好守に阻まれ、ノーヒットに終わったが、“AS砲“がラインナップにいることで攻撃のバリエーションに幅は出ている。 ネット裏の他球団のスコアラーも「ソト、オースティンは、まだ言うならばオープン戦の段階。ここから30、40打席を超えてきてバットが振れるようになってきたら、新人の牧も加入しているし打線としては怖いですよ。今は連敗しているが、そこが整ったら上がってくる。決して借金2桁のようなチームではない」と警戒していた。 「30、40打席」となると10試合から15試合。5月のGWあたりから2人は、本格化するのかもしれないが、そこまでは、ひたすら我慢。この日のように投手陣にゲームを作ってもらうしかない。 「終盤の最後に追いつけたのは大きい。あと1本は課題だと思うが、守りも攻撃もこういう粘りを続けていってね。なんとか連敗を止められるように頑張っていきます」 三浦監督に手ごたえはある。連敗が止まったわけではないが嵐が過ぎ去りそうな兆候は見えている。 週明けの20日からの対戦カードは、今季唯一勝ち越している中日である。中日も打撃不振に苦悩しており、ここ6試合で1勝5敗と調子は悪い。「どちらが打つか?」と問われれば横浜DeNAである。鍵は先発陣。ローテー通りならば、大貫、入江、浜口の3人。連敗はカード頭で止めたいが、中日はまだ勝ち星のない昨年の沢村賞投手、大野雄が万全を期して立ちはだかってくることが予想されている。