元日本代表FW佐藤寿人が引退発表…ミスターフェアプレーが森保監督に反抗した夜
J1リーグ歴代2位の通算161ゴールをマークし、J2リーグでの59ゴールを合わせた同220ゴールが歴代1位にランクされる異能の点取り屋、元日本代表のFW佐藤寿人(38)が今シーズン限りで現役引退することが19日、所属するジェフユナイテッド千葉から発表された。 ともにサンフレッチェ広島でプレーした2008シーズンにJ2で28ゴールを、悲願のJ1初優勝を果たした2012シーズンには22ゴールをゲット。2つのカテゴリーで得点王を獲得した唯一の日本人選手でもある佐藤は、アカデミーから昇格したジェフユナイテッド市原(当時)で2000シーズンにデビュー。セレッソ大阪、ベガルタ仙台、広島、名古屋グランパス、そして昨シーズンから古巣・千葉へ復帰したプロ人生を、クラブを通じて発表したコメントでこう振り返っている。 「小学生の頃にJリーグが誕生し、カズさんとゴンさんのプレーに目を輝かせ、たくさんの夢を与えてくれたJリーグの舞台で選手として21年という長い時間をプレーできた事、とても幸せな時間でした」(原文のまま) 黎明期のJリーグをけん引した三浦知良や中山雅史へ、千葉でプレーした昨シーズン限りで引退した双子の兄、勇人とともに抱き続けた憧憬の思いが、レッドカードはもちろんのこと、イエローカードにもほとんど無縁だった佐藤の誇り高きプレースタイルの源泉になった。 「よくない行為を子どもたちに見せるのは、プロとしてよくないこと。カズさんやゴンさんが、イエローカードをもらった記憶が僕にはほとんどない。最高のお手本ですよね」 こう語っていた佐藤が最後にもらったイエローカードは、広島時代の2015年11月7日のガンバ大阪戦までさかのぼる。遅れたタイミングで浮き球を相手選手と競り合った、前半33分にラフプレーを宣告された。193試合にわたって警告なしを継続していた佐藤が、約6年ぶりにもらったイエローカードはちょっとした“事件”として報じられたほどだ。