松本人志の「2025年芸能界復帰説」が否定されるこれだけの理由 テレビプロデューサーの視点
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんの去就はどうなるのか。『週刊文春』を通じた「性的行為」強要の告発によって、芸能活動を休止した松本さんだったが、文春を相手取った裁判を「訴訟の取り下げ」によって終結させた。 裁判が終わったからといって、状況は振り出しに戻っただけとも言えるが、芸能メディアの中には、2025年(来年)末の特番『笑ってはいけない』で復帰するとの観測を示したところもある。 そのような中で、松本さんは12月25日のインタビュー記事で独自のプラットフォーム「ダウンタウンチャンネル(仮)」を来春にも始動させることを予告した。 とはいえ、松本さんは、来年のうちに既存のメディアで芸能活動復帰できるのか。私は「ないだろう」と考えている。テレビもネット配信も舞台も相応に難しい理由があるのだ。(テレビプロデューサー・鎮目博道)
●地上波のテレビ復帰が難しいワケ
2025年内に松本人志さんはテレビに復帰できるか。なかなか難しいと思う。可能性はゼロではないが、特に地上波・全国ネットへの復帰はかなり厳しいのではないか。 まず、現時点で松本さんがテレビに出ていない理由は「グレー」だからだ。 文春への損害賠償請求訴訟を取り下げた松本さんは現在、松本さんが女性に性加害をしたのではないかという疑惑に関して「あったともなかったとも言えないグレーな状況」にある。 このグレーな状況が、さまざまな関係者に松本さんのテレビ復帰をためらわせている主な要因だ。 「グレーな状況を嫌う関係者」の中でも、スポンサーが最も起用をためらっている。 テレビコマーシャルを出稿している企業のほとんどが、BtoCの商品やサービスを扱う企業であり、その大部分は「女性による購買」を重視している。 だから、女性に悪いことをしたかもしれないと疑念を持たれている状況の人物が出演する番組にスポンサーとして名を連ねるのは難しい。女性視聴者から「あのような人物が出演する番組に金を出すのか」という抗議がくるのは避けたい。 訴訟が取り下げられた今となっては、この「グレーな状況」はなかなか変わりにくいとも言える。裁判所の判決によって「白黒つける」こともできなくなった。 記者会見を開いて釈明や謝罪をする必要も数多く指摘されてきた。今でも会見を開くこと自体はできるかもしれないが、記者からさまざま事実関係について追及され、逆に苦しい状況に追い込まれる可能性もある。 裁判を終わらせるにあたって文春側と話し合いもされた。会見を開いても、もはやそこまで好き勝手なことも話せないだろうから、現実的に会見を開くのは難しいのかもしれない。