認知症予防につながる「いつもの食事」のヒント 知っておきたい「卵や肉、魚、発酵食品」の食べ方と選び方
アルツハイマー研究を続けて34年になる白澤卓二医師は、これまでの研究から認知症予防のために「毎日とりたい食材」をピックアップし、自身が代表を務める高齢者施設で提供しています。そこで「Dr.白澤がすすめる毎日食べたい必須の食材」について3回にわたってご紹介。本記事は2回目です(本記事は、白澤医師の『Dr.白澤の実践メソッド 100寿をめざす 認知症最新戦略』より一部を抜粋、再編集したものです)。 【画像】Dr.白澤がすすめる毎日食べたい必須の食材 1回目の記事:アルツハイマー研究第一人者が語る「脳にいい食」
■“質のいい卵”を食べよう 毎日食べたい必須の食材:卵 親鶏の生育環境やエサをチェック ●卵の質は親鶏の状態に左右される ●理想は平飼いで質のよいエサを与えられた鶏の卵 ●卵の質はエサによって変わる。強化されている成分をチェックしよう 健康長寿のために卵を食べましょう。かつては、コレステロールに配慮して、食べ過ぎないよう注意されていましたが、2015年にアメリカで食事由来のコレステロール摂取に対する制限が削除されて、その健康効果が注目されています。
最近では、脳卒中や認知機能の低下を防ぐためには、毎日食べたほうがいい健康食材に躍り出ました。 卵の栄養で特に注目されているのが、コリンとレシチンです。コリンは神経伝達物質であるアセチルコリンの原料になり、レシチンはコレステロールの分解や排泄を促します。 また、卵は完全栄養食品と呼ばれるほど栄養価が高く、良質のタンパク質も豊富です。 高齢者の栄養不足を補うには、最適の食材と言っていいでしょう。 <質のいいものを選ぼう>
卵の質は親鶏の生育環境に左右されます。理想は、平飼いで自然なエサ(穀物や野草)を食べて育った鶏の卵です。また、エサに有用な成分を混ぜて育った鶏の卵もあります。 ラウリン酸、エルゴチオネイン、オメガ3(系脂肪酸)、ビタミンEなど、さまざまな栄養を強化した卵が市販されています。 ■肉を食べて筋肉を維持しよう 毎日食べたい必須の食材:良質なタンパク質 生命の要となる重要な栄養素 ● 不足すると認知機能の低下だけでなく、筋肉が落ちて、寿命も短くなる