東京の感染状況は減少傾向じゃない? モニタリング会議はどう分析したか
東京都の新型コロナウイルス感染症モニタリング会議は27日の第8回会合で、専門家による感染状況の評価を最も高い警戒レベルに据え置いた。政府の分科会では、全国の感染状況は「下降傾向」にある可能性が指摘され、都内の新規陽性者数も減少傾向で8月20日以来、300人未満が続いているが、東京都医師会の猪口(いのくち)正孝副会長は「新規陽性者数における接触歴等不明者の増加率がなかなか下がってこない」と引き続き感染状況を注視していく必要があると述べた。 【動画】東京都の小池知事が臨時会見 23区内の時短営業要請を延長へ
接触歴不明者の増加比が再び上昇
都内の感染レベルを1週間ごとに評価するモニタリング会議は「感染状況」と「医療提供体制」の2つを軸に7つの指標の推移を専門家が分析する。この日の会議では、感染状況が最高の警戒レベルである「感染が拡大していると思われる」、医療提供体制は上から2番目の警戒レベルの「体制強化が必要であると思われる」と、それぞれ前週の判断を維持した。 都内の1日あたりの新規陽性者の報告数は減少傾向が見られる。モニタリング会議で扱う指標においても、7日間平均の新規陽性者数や接触歴等不明者数など3つの項目が前週より減少している。しかし、猪口氏は感染状況の総括判断を維持することについて「全員一致の意見だった。一人も(判断を)下げるという意見にならなかった」と明かした。 その理由として、まず7月15日に現在の総括判断に引き上げたときの新規陽性者数(7日間平均)が168.4人だったことを挙げ、「その段階の数と比べてもまだ高い状況(225.4人)にある」とした。 最も重視したのは、接触歴等不明者の増加比だったという。今週の数値は86.7%で100%を割ってはいるものの、前週の78.4%より上昇している。「これは実効再生産数と近いような考え方になるので、これが横ばい、むしろちょっとずつ上がっているのは、決して気を許せる状況ではない」と警戒感を示した。さらに「いったん下がったが上がっている。何かのきっかけで、ここの部分が上がると(全体の感染者数が)また上昇に転じる」と強調した。