なぜ高校サッカーVの青森山田は”ラフプレー論争”を凌駕するほど強かったのか
優勝決定直後に涙した黒田監督が思わず相好を崩した。指揮官に思いを通じさせるかのように、試合後には会心の笑顔や重圧から解き放たれた涙と、さまざまな表情を見せた松木も「シーズンを通して1、2を争うぐらいの結果だった」と言い、こう続けた。 「三冠と口にはしましたけど、実際には目の前の1試合1試合を大切に戦うというところへ矢印を向けてきた。今後は違う道を進みますけど、そこでもチームを勝たせられるような献身的なプレーを見せて、結果というものを出していきたい」 高体連相手には無敗という軌跡と、高校生レベルを超越したフィジカルの強さに引き起こされたラフプレー論争を残して、プレミアリーグが創設された2011年以降では初めてとなるシーズン三冠が達成された。青森山田が見せ続けた伝説的な強さは、来シーズン以降の「打倒・青森山田」を誓うライバル校の指標として語り継がれていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)