高校サッカー界に出現したアフロヘアの超大型”逸材CB”…1回戦を突破したチェイス・アンリ(尚志)の何がどう凄いのか?
トレードマークのアフロヘアをなびかせる大会注目の大型センターバック、チェイス・アンリ(3年)を擁する尚志(福島)がPK戦を制し初戦を突破した。ベスト4へ進出した2018年度の第97大会以来となる1回戦勝利だ。第100回全国高校サッカー選手権大会の1回戦が29日から本格的にスタート。県立柏の葉公園総合競技場で瀬戸内(広島)と対戦した尚志は、0-0のまま突入したPK戦を4-3で制して、関東一(東京B)が待つ大晦日の2回戦へ進出した。 17歳ながらU-22日本代表に“飛び級”で大抜擢されたアンリは、身長187cm体重80kgの屈強なボディに搭載され、敗れた瀬戸内の田中健二郎監督を思わず称賛させた規格外の対人の強さを最終ラインで発揮。PK戦では大きなプレッシャーがかかる1番手を担い、ゴール右隅へ完璧に成功させてチームを波に乗せた。
PK戦の1番手を任されて成功
2度あることは3度あるのか。それとも、3度目の正直となるのか。 この半年間で3度目となる公式戦でのPK戦。今夏の日章学園(宮崎)とのインターハイ2回戦、今月12日のJFAアカデミー福島U-18とのプレミアリーグ参入戦に続いて、尚志は0-0のまま決着をつけられずにPK戦へ運命を委ねた。 過去2度はともに涙を飲んでいる。それでも尚志を率いる仲村浩二監督は、後蹴りの日章学園戦、先蹴りのJFAアカデミー福島戦に続いてアンリに1番手を託した。 「ここでも決めなければいけない、と思っていました。自分自身、これまでPKの練習をたくさんしてきたのでよかったです」 言葉通りにアンリは、再三にわたってビッグセーブを演じてきた瀬戸内の守護神、大木泰季(2年)の逆を突く一撃をゴール右隅に突き刺す。日章学園戦、JFAアカデミー福島戦に続くPK成功。しかし、これまでと大きく異なる状況がすでに生じていた。 PK戦突入を見越して、GK鮎澤太陽(2年)に代わって後半アディショナルタイムに投入されていたGK布川陽大(2年)が、先蹴りだった瀬戸内の1番手、副キャプテンのFW佐野竜眞(3年)が放った左隅への一撃を阻止していた。 日章学園戦から10人連続で決められていた“負の連鎖”を断ち切り、続けてアンリが成功させた尚志は一気に波に乗った。4人目のMF半谷一太(3年)こそ止められたが、直後に瀬戸内のキャプテン、FW梁俊虎(3年)を再び布川が止める。尚志の5人目、DF高橋翔大(3年)が冷静に左隅へ決めて熱戦に終止符を打った。