初の4強進出で”資金難”大津高サッカー部に2日間で寄付金1000万円集まる!「選手や指導者も身が引き締まる思い」と感謝
開催中の第100回全国高校サッカー選手権大会でベスト4へ進出している大津(熊本)が、滞在期間の延長に伴う資金不足の懸念が生じたために賛助金の緊急募集を実施。目標を上回る約1000万円が集まるめどが立ったと6日夜に発表した。 公立校の大津は4日の準々決勝で前橋育英(群馬)を1-0で撃破。18度目の出場で初めて、熊本県勢としては第33回大会の熊本工以来、67年ぶりにベスト8の壁を突破した一方で、準決勝まで日程が空く状況で予算がショートする可能性が浮上。保護者会が同校サッカー部の公式ホームページ上で、4日夜から賛助金の募集を呼びかけていた。 実質2日で約1000万円が寄付された状況に、保護者会は「反響の大きさに私たち保護者会をはじめ、選手や指導者も身が引き締まる思い」とホームページ上で感謝の言葉を綴った。大きな後押しを受けた大津は国立競技場で行われる8日の準決勝で、公立校として10年ぶりとなる決勝進出をかけて関東一(東京B)と対戦する。
今大会は新型コロナの影響で補助金なし
普段はなかなか目に留まりにくい一高校サッカー部の公式ホームページ上で、賛助金を募る“SOS”が発信されたのが4日夜。SNSでの拡散を介して支援の輪は瞬く間に広がり、わずか2日で目標を上回る約1000万円もの寄付が集まった。 3年ぶりに選手権の舞台へ帰ってきた大津は、昨年大晦日の2回戦で東福岡(福岡)に4-0で快勝。4日の準々決勝では前橋育英に1-0で競り勝つなど、優勝経験校を連破して、18度目の出場で初めてベスト8の壁を突破した。 破竹の快進撃を続ける一方で、資金面で懸念が生じた。 これまでは前回大会の収益から出場各校へ支給されてきた補助金が、実は今大会において廃止されていた。新型コロナ禍で緊急事態宣言が発出され、埼玉スタジアムでの準決勝と決勝が急きょ無観客となった大幅な減収下で予算を組めなかった。 交通費や宿泊費など、大会参加に必要な費用の全額は出場校側の自己負担になった。例えば昨夏のインターハイで準優勝した米子北(鳥取)は昨年末に、200万円を目標に同校サッカー部後援会がクラウドファンディングを実施している。 各校がさまざまな形で資金を工面したなかで、大津もPTA会長を委員長として昨年末に「全国大会出場支援実行委員会」を結成。募った寄付金に部員の保護者会が積み立ててきた資金を合わせて、1000万円を超える予算を組んで今大会に臨んだ。 しかし、準々決勝から準決勝までは日程が3日間空く。選手や平岡和徳総監督以下のスタッフだけでなく、ベンチ入りから外れた部員や応援団らが熊本へ戻らず、そのまま滞在するなかで当初組んでいた予算がショートするおそれが出てきた。