市場驚かせたタカ派的ドットチャート FRBは「確信犯」か?
上方改定は「外す」ことを意図的に狙った?
これらを踏まえると、今回のドットチャート上方改定(特に2023年末値)は「外す」ことを確信犯的に狙った印象があります。パウエル議長は「利上げペースと金利の水準は別の問題」、「ほぼ全てのFRB当局者、年内における一定の追加利上げは適切と判断」などとタカ派的な発言をしましたが、一方で「7月の決定は全てのデータや状況の変化を見て下す」、「政策金利は十分抑制的な水準に近づいた」などと利上げ見送りが有力な選択肢であることも示唆しており、バランスを取っていました。結果的にドットチャートが示した政策金利水準(5.75%)には到達しない可能性が濃厚であると筆者は判断しています。
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